【10リスト】MAN WITH A MISSION、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!

【10リスト】MAN WITH A MISSION、一生聴き続けられる名曲10はこれだ!
全国津々浦々のライブハウスから、アリーナやスタジアム公演、そしてアジアや米・欧州へと足を伸ばして、スケールの大きなロックを武器にファンの裾野を広げているMAN WITH A MISSION(以下MWAM)。始動した当初こそ、狼というルックスが異彩を放っていたが、彼らが放つまっすぐでポジティブな歌とさまざまな音楽的要素を貪欲に飲み込んでアップデートされたミクスチャーサウンドのパワーは、斜めな態度の眼差しや雑音をも巻き込んで、成長の糧にしていった。自分たちが力をもらってきたロックミュージックを信じて、一歩一歩突き進んでいる不屈のスピリットが、奏でる音楽に練りこまれている。ここでは、MWAMの歴史を作り上げてきた曲と、ライブを通じて飛躍していった曲の10曲をセレクトした。(吉羽さおり)



①FLY AGAIN

メジャーデビュー前夜と言える2011年4月に限定枚数で発売したシングル『NEVER FXXKIN’ MIND THE RULES』に収録され、リリースから現在までライブでの最高のキラーチューンとして君臨。サビで観客が両手を上げ、右に左にと伸びる振りは、ライブハウスからスタジアム、また、イベントやフェスでも会場を一体化させるパワーを持った曲だ。DJ、ラップ、アンセム感のあるメロディと重厚なロックサウンドという、MWAMというバンドの旨味が詰まっており、メジャーでの1stフルアルバム『MAN WITH A MISSION』に収録されたほか、2019年の10thシングル『Remember Me』では、“FLY AGAIN 2019”としてアップデートされた。

②Emotions

荘厳なストリングスと分厚いコーラスでドラマティックにスタートするこの曲は、MWAMからの生きるメッセージが存分に詰まっている。英語がベースとなった歌詞のなか、《手を広げ高く 空へ飛ぶだけ/目を閉じ心の 声を叫ぶ》という日本語でのフレーズが鮮烈だ。人生には葛藤や暗闇の時もあるけれど、心の奥底に閉じ込めた気持ちを信じて、自分の人生を切り開いていくことが歌われ、強く聴き手の背中を押す曲である。また一方では、多くの人が、狼という言わば異形の存在である彼らや、彼らが奏でるロックミュージックをピュアに受け止めてくれたからこそ、より重みを持って伝えられるMWAMの実感も、ここから聞こえてくる。リスナーとバンドの信頼を感じる1曲だ。

③database feat.TAKUMA(10-FEET)

2013年5月6日に初の日本武道館公演を行ない新たなフェーズへと突入したMWAM。ソニー・ミュージックへと移籍しての第1弾としてリリースしたこの曲は、10-FEETのTAKUMA(Vo・G)をゲストに招いた。トーキョー・タナカ(Vo)、ジャン・ケン・ジョニー(G・Vo・Raps)、そしてTAKUMAという、キャラの渋滞を起こしそうな3人のボーカルが互いに食ってかかる勢いでリレーし、シンガロングするド派手なミクスチャーロック。音楽的に共振する部分も多いであろう両者の、ガチンコなぶつかり合いが聞こえる。

④Survivor
5周年のベストアルバムを経てリリースされた、4thアルバム『The World’s On Fire』のオープニングを飾る曲。日本だけでなくアジア、米、欧州でのツアーや海外でのフェス出演も回を重ねてその規模を拡大させるなど、バンドとして上り調子のなか、さらなる戦いの狼煙をあげていく曲。アルバムの1曲目ではつねにインパクトのある曲を持ってくるMWAMだが、この曲はとくにラディカルで、DJのブレイクビーツとアグレッシブなドラムによるアッパーなビートが勢いを加速させていく。

⑤The World’s On Fire
ギターの弾き語りで歌っても映えるような、普遍的なグッドメロディが冴える曲。BPMを抑え、バンドの演奏も淡々としたアンサンブルによるMWAMの曲の中でも極めてシンプルだが、それでいて高揚感のある、アンセミックな1曲だ。軽やかだが、じっくりとした足取りで誰かの隣を歩き、語りかけ、問いかけるように歌う。彼らのメッセージ性やバンドサウンドの良さを、新たな形で見せた1曲だ。

⑥Hey Now

DJサンタモニカ(Djs・Sampling)のトラックメイクを主体にした曲で、90年代から2000年あたりのロック×ダンスミュージック、ビッグビート的なダイナミズムをMWAMとして体現した1曲。プロデューサーにはまさにその時代から音楽の壁も世界もまたいで活動しているBOOM BOOM SATELLITESの中野雅之を迎えるこれ以上ないタッグで制作され、フィジカルなビートと中毒性の高いサビで躍らせる曲に仕上がった。ここまでにも多くのコラボをしてきたMWAMだが、“Hey Now”や“Dead End in TOKYO”でのコラボレーションでは、新たな化学反応でバンドの枠を広げている。


⑦Dead End in TOKYO

アメリカのバンド、フォール・アウト・ボーイのフロントマン、パトリック・スタンプとともに作り上げた1曲。パトリックとの制作は、心理カウンセリングのように、どんなふうに育ち、どんな考えを持っていて、どんな目線で世界を見ているのか、深く自身を掘り下げていくアプローチで、歌、リリックとは何かを再確認するようなものだったという。また、ロックバンドでありつつ、ファンキーなグルーヴを持った歌が魅力なパトリックと書き上げたメロディ、サウンドには、16ビートのノリが気持ち良く出ていて新鮮な曲でもある。


⑧Winding Road

5thアルバム『Chasing the Horizon』へと繋がっていく、ダブルA面でリリースされたシングル『Take Me Under / Winding Road』の1曲。《この傷の数だけ/闇夜を駆け抜けて 踊る/Long and winding road》。日本語詞、英語詞とがいいバランスで混じり合ったキャッチーでドラマティックな曲で、長く、曲がりくねった道を旅する紆余曲折と、それでも諦めることなく突き進んでいく思いが、願いのように歌われる。憂いを帯びたジャン・ケン・ジョニーのボーカルと、それを引っ張りあげるトーキョー・タナカのボーカルとのコントラストが曲の持つ強さを引き立てる。MWAM最大規模となった2018年11月17日の阪神甲子園球場でのライブのアンコールで、この“Winding Road”と“Emotions”が続けて演奏されたのは、感動的なシーンだった。

⑨Chasing the Horizon
5thアルバムのタイトル曲。アルバムのリリース前には、MWAM史上最大規模となる阪神甲子園球場でのスタジアムワンマンを行なうことを発表したが(超満員の4万5千人を動員した)、タイトルにあるように、ゴールのないこの道を追求し、楽しみながら突き進んでいくことが提示された曲だ。ロックバンドとして何かを背負い、貪欲に歩んできたこれまでよりも、幾分か陽性で、リラックスした伸びやかさを感じるサウンドに、タフにスケールを増したバンドの現在地がうかがえる。

⑩Remember Me

フジテレビ系月9ドラマ『ラジエーションハウス〜放射線科の診断レポート〜』の主題歌となって、ロックファンを超え多くの人の耳に触れることとなり、ドラマに合わせ配信がスタートすると、2019年5月20日付オリコンデジタルシングル(単曲)ランキングで初登場1位を獲得した。自分たちのやり方で、実直に進んできたからこそ歌える包容力のある歌、道を照らすランタンとなる1曲。ブレることなく、一貫してポジティブな姿勢でい続けるMWAMのリアルが刻まれている。
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