①Shining One
『THE FIRST』における最終審査のための課題曲がもととなって完成した楽曲であり、7人のメンバーが正式に決定したあと「プレデビュー曲」という位置付けとなった楽曲。オーディションの行方を追っていた人なら、最終審査に挑んだ10人の心情や背景までもが蘇る、特別な一曲ではないだろうか。まさにBE:FIRST結成前夜と言える、様々なストーリーや想いの詰まった楽曲であり、プロデューサーであるSKY-HIの哲学が詰まった一曲だ。この最終審査でBE:FIRST入りには至らなかった3人──ショウタ(現Aile The Shota)、レイコ(現REIKO)、ラン(現RAN)について、SKY-HIはBE:FIRSTのメンバーとして輝くのとは別の道にポテンシャルを見出したのであるが、この課題曲がかなりの高難易度で制作されたのも、それぞれの強みや個性を浮き彫りにする意図もあってのことだった。その後、トラックもアップデートされ、メンバー7人がBF:FIRSTの正式楽曲としてレコーディングした。まさにグループとしての最初期楽曲であり、リリースと同時に各種配信サービスのランキングを席巻した。②Kick Start
2021年11月にリリースされたデビューシングル『Gifted.』から先行で配信リリースされたのがこの“Kick Start”。改めてBE:FIRSTが本格始動する意味と決意が込められた、胸を熱くするような一曲である。『THE FIRST』のオーディション合宿の際、Matt Cab & MATZの手によるトラックに参加者自身が歌詞・メロディをつけるという「クリエイティブ審査」が行われたのだが、この“Kick Start”は、その際に使用された““A” Life”、“Good Days”、“YOLO –You Only Live Once- ”のトラックに乗せ、BE:FIRSTとしてスタートを切る7人が、新たに歌詞とメロディ、そして振り付けまでを作り直しながら完成させたという楽曲である。そうした背景を持つがゆえに、この楽曲が表現するもの、その質量の大きさは必然的。“Shining One”同様、グループとしての矜持や覚悟を表しながら、7人すべてのソロパート、その歌唱に、それぞれの想いが溢れている。③Gifted.
1stシングル『Gifted.』のリード曲であり、BE:FIRSTの表現力の幅広さと新機軸を見せた楽曲。ミニマルなサウンドと複雑なビート感でダークに仕上がったトラックに、クールで大人の佇まいを感じさせるメンバーたちの歌声。「天賦の才能がある」を意味するタイトルは、BE:FIRSTとして表現するものへの揺るぎない自信を意味するのと同時に、リスナーにも「あなたにしかない才能がある」というポジティブなメッセージとして届けられる。《どこを探したって僕ら以上はもうあり得ないでしょう?》という挑発的な歌詞も、1コーラス目はLEOがやわらかく確信に満ちた歌声で、2コーラス目はJUNONが力強く自問するような歌声で表現し、単なるビッグマウスではなく、そう自覚することの意味を投げかけるように響いてくる。BE:FIRSTの音楽的才能と人間性とが滲むこの楽曲は、「クリエイティブファースト」、「クオリティファースト」とともに「アーティシズムファースト」を掲げたSKY-HIの思想を明確に表している。④Bye-Good-Bye
“Bye-Good-Bye”はメンバー7人それぞれ違った歌声の魅力を明確に表現してつないでいきながら、ひとつの物語を紡ぎあげる楽曲である。歌い出し、《あと少し/ほんのちょっと/この手伸ばせば/届きそうな夢が/目の前に見えてる》というLEOの歌声が、爽やかなポップネスを伴いながらも、希望と少しの不安が入り混じるような、とても繊細な感情を呼び起こす。SOTAの歌声がそれを引き継ぎ、グループ結成に至るまでの様々なシーンを思い起こさせて、MANATOが静かに抑えきれない歌への衝動を表現する。RYUHEIがその想いをさらに加速させるように切ない歌声でつなぐと、RYOKIがその先へと導くように逸る気持ちを歌にして、サビのJUNONのファルセットが、過去の景色をまるごと抱きしめながら未来へと跳躍するように炸裂する。その一連の心象風景をしなやかにまとめあげるように穏やかに響くSHUNTOの歌唱。7人の個の魅力と楽曲としての一体感が同時に表現されたこの楽曲には、その後のラップパートも含め、BE:FIRSTの本質が濃密に凝縮されている。⑤Betrayal Game
ドラマ『探偵が早すぎる〜春のトリック返し祭り〜』の主題歌にも起用され、2ndシングル『Bye-Good-Bye』のカップリング曲として収録されているのがこの“Betrayal Game”。シングルの表題曲とは対照的にクールでセクシーな魅力を見せる歌であり、BE:FIRSTのボーイズグループとしてのポテンシャルの高さ、広さを感じさせる一曲となった。ダークなR&B色の強いグルーヴィなトラックに乗せて官能的な響きを持つ歌声で表現する歌世界に圧倒される。とても成熟したボーカルグループという趣で、人間の二面性を色濃く表現するMVでのダンスパフォーマンスも含め、短期間でのさらなる成長、ネクストステージを強く感じさせた一曲である。BE:FIRSTは決して完成されたグループではなく、進化・拡張を続けていく有機的な存在であることを印象づけた。7人の歌声、ハーモニーの質感が、抗いがたい没入感を連れてくる素晴らしく洗練されたポップスだ。現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』7月号にBE:FIRSTが登場!
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