「LIVE SPARKS!」では、今注目すべき新進気鋭のアーティストのライブレポートをお届けします!「みなさんの目に、心にちゃんと届くように歌っていきたいと思います」
ライブ序盤のMCでさとう。は、オーディエンスをしっかりと見据えながら、そう語った。
2ndアルバム『窓越し、その目に触れて』を携えた全国ツアー「その目を心の窓と呼ぶ」。ワンマンツアーとして自身最大規模となる全国6箇所、バンド編成で行われたこのツアーファイナルでさとう。は、観客の目と心に強く訴えかけるステージを繰り広げた。
ライブの軸を担っていたのは、もちろんアルバムの楽曲。出口博之(B/モノブライト)、渡辺拓郎(Dr)とともに生み出す鋭利なアンサンブルの中で、たどり着かないとわかっていても進むんだという意思を綴った“地平線”、カントリーの雰囲気をまとった軽やかな旋律、本心を伝えられないふたりを描いた歌詞、観客のハンドクラップが響き合う“Saturday park friend”、《流れるままに生きたとしても/僕は僕のオールを捨てなかった》というフレーズが突き刺さった“明日”。リアルな感情を刻んだ歌からは、アルバム『窓越し、その目に触れて』の充実ぶり、そして、このツアーの確かな手ごたえが伝わってきた。
「ライブをして、その目を見て、『ああ、この人の心に届いてるのかも』と確信できたツアーでした」と語りかけたあとは、アコギの弾き語りコーナー。さとう。の知名度を高めるきっかけとなった“3%”、「みなさんの欠けた穴すら、すべて包み込んで愛せるように、祈りを込めて」という言葉から始まった“ドーナツホール”などを丁寧に手渡していく。個人的に最も印象的だったのは“ステージ”だった。病に倒れて歌えなくなった人に思いを寄せ、それをステージで歌うことのパワーにつなげる。あまりにも激しく、生々しいエモーションを放つボーカルに強く心を揺さぶられてしまった。
“春一番”、“胸ぐら”はさとう。の鍵盤、ドラム、ベースの編成で披露。ライブ終盤では再びギター、ベース、ドラムのスタイルへ。愛する故郷への思い、何かを成し遂げるまでは帰れないという決意を歌った“通過する故郷”、そして、《こんな歌はいくらでもあんぞ》と自らを挑発する“ライア”では、《liar ねえ liar》の大合唱が生まれた。
「『どこかの誰かのノンフィクション』を描く」を掲げ、実体験とフィクションを結びつけた楽曲を生み出し続けている彼女。その楽曲はライブの中で観客に共有され、一人ひとりの経験や人生と重なりながら、「これは自分の歌だ」という実感に結びつく。涙を浮かべたり、笑顔になったり、グッとステージを見据えたりしながら歌を受け取るオーディエンスの姿を見て、さとう。の音楽がこんなにも強く求められている理由を実感することができた。
アンコールでは、ツアータイトルを冠した楽曲“その目を心の窓と呼ぶ”やアルバムのボーナストラック“ぺちゃんこ”などを演奏。観客からは、この日が26歳の誕生日だったさとう。のために“Happy Birthday to You”が贈られた。このツアーで証明されたのは、音楽を介した純粋で強いつながり。それはさとう。自身の新たな原動力になるはずだ。(森朋之)
このライブレポートは、8月31日発売の『ROCKIN'ON JAPAN』10月号にも掲載予定!
さとう。 LIVE TOUR「その目を心の窓と呼ぶ」
2026.07.18 渋谷WWW
●セットリスト
01. 地平線
02. 向かい風
03. Saturday park friend
04. 明日
05. 朗朗
06. 細胞
07. ネバーランドより
08. 3%
09. ドーナツホール
10. ダイアログ
11. ステージ
12. 春一番
13. 胸ぐら
14. 逃避行ハイウェイ
15. 決別
16. 通過する故郷
17. ライア
Encore
18. その目を心の窓と呼ぶ
19. ぺちゃんこ
20. マイク前
●ライブ情報
LIVE TOUR「語らう日々をかけめぐる」
10月16日(金) 東京 キネマ倶楽部 【FC限定】
10月17日(土) 神戸 クラブ月世界
10月24日(土) 仙台 誰も知らない劇場
10月25日(日) 札幌 くう
10月30日(金) 広島 ヲルガン座
10月31日(土) 福岡 ROOMS
11月1日(日) 長崎 Paranoia
11月3日(火・祝) 岡山 KOTYAE
11月6日(金) 浜松 FORCE
11月7日(土) 高松 燦庫-SANKO
11月13日(金) 名古屋 KDハポン
11月14日(土) 大阪 soap opera classics
TOUR FINAL「語りかける、誰がための兆し」
11月28日(土) 東京 日本橋三井ホール
OPEN 16:45 / START 17:30
提供:だらりレコーズ
企画・制作:ROCKIN'ON JAPAN編集部