All photo by 小野 秀梧「LIVE SPARKS!」では、今注目すべき新進気鋭のアーティストのライブレポートをお届けします!
ライブの前後に都心でも雪が降るくらいの寒波に見舞われたが、
PURPLE BUBBLE初ワンマン「蕾もいつかは」の会場TOKIO TOKYOは、終始じんわりと温かった。確かに防寒対策でインナーにヒートテックを着てきてしまったK-taring(Vo・G)は物理的に暑がっていたが、そういう意味じゃない。結成からわずか2年足らずでこの場に辿り着いた彼らに送られる期待の眼差しと、それに歓喜しながら全霊で応えんとするフレッシュなパフォーマンス。フロアを温めていたのはそんな幸せな相互関係だった。
何しろ1曲目のタイトルからして“ハートフル”である。個々の放つ音色はシャープながら心地よい圧を感じる音で、アイリッシュテイストや変拍子へとどんどん展開していく──と書くとだいぶトリッキーに思えるが、実際には意外性をメインには感じさせず、あくまで歌を軸にむしろポップな存在感を放っている。輝度の高いメロディを担うK-taringは、とにかくはっきりと真正面から言葉を手渡す安定した歌唱スタイル。“ナツメグ”のラストのようなビートチェンジやキメの類もふんだんに用意されるが、シュアなプレイに徹する嵐丸(Dr)を中心にさらっと乗りこなすあたりに個々の確かな技量とセンスも感じさせる。
MCで甘噛みしたり、“愛の天秤”の入りでシーケンスのタイミングが合わずやり直すもどうにも上手くいかなかったり。初々しさを感じる局面は多々あったけれど、それによって空気が間延びしたりすることはなく、むしろ観客たちが微笑ましく見守ることで一体感に繋がっていた。それはきっと嫌味なく無邪気ですらある4人の佇まいと、ひとたび演奏となれば剛柔自在に攻め立てる頼もしさによるところが大きかったように思う。「まだ全く世に出てない曲」として演奏された5曲目やリューセー(B・Cho)が激しいスラップをお見舞いするダンスロック“度肝を抜け”でフロアを沸かせたかと思えば、せき(G)による哭きまくるロックギターとどストレートなメロディの合わせ技“Good Night 恋人”のようなバラードソングでは、丹精込めてエモーションをたぎらせる。どちらの側面も好きや憧れに端を発していることがよくわかるから、振り幅が大きくてもチグハグになることはない。
個人的にとても好きなタイプだったのは、哀愁を帯びたメロディをシューゲイザーを思わせる轟音で塗りつぶす“dot city”。さらに、歌始まりでヒロイックに疾走する“揺れ動く世界”、そして“クラルテ”と純正ギターロック系アッパーチューンを連投した頃にはもうライブも終盤。自分たちの音楽と出会い、好きになってライブに足を運んでもらえる得難さに改めて感謝したあと、どんどん大きくなることでたくさん恩返しをしたい、とラストにライブタイトルでもある新曲“蕾もいつかは”を旅立ちのテーマとして高々と鳴らしきった。
アンコールでは、まだレパートリーが足りないために会場リクエストを実施。その結果“ノープラン”を3連発することになるくらいのキャリアでこのライブなんだから、秘めたる可能性は相当なものだ。4月からは2周年記念の東阪ワンマンが控え、音楽イベントが盛んになるシーズンもやってくる。一体この蕾はどんな形の、何色の花を咲かすのか、しっかり観察しておいたほうがよさそうだ。(風間大洋)
PURPLE BUBBLE 1st ONE MAN LIVE 2026
蕾もいつかは
2026.02.07 TOKIO TOKYO
●セットリスト01. ハートフル
02. ナツメグ
03. Perfect Blue
04. 愛の天秤
05. 未発表曲
06. A maze
07. 運命とやら
08. Good Night 恋人
09. 度肝を抜け
10. dot city
11. 揺れ動く世界
12. クラルテ
13. 蕾もいつかは(新曲)
Encore
14. ノープラン
15. ノープラン(会場リクエスト)
16. ノープラン
17. ナツメグ
●リリース情報
『蕾もいつかは』
配信中
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●ライブ情報
PURPLE BUBBLE 結成2周年記念ワンマンライブ “Touch your Heart”
2026年4月26日(日)大阪府 LIVE SQUARE 2nd LINE
2026年5月9日(土)東京都 Veats Shibuya
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PURPLE BUBBLE オフィシャルサイト
提供:PURPLE BUBBLE
企画・制作:ROCKIN'ON JAPAN編集部