【LIVE SPARKS!】あるがままの心で、未来に進んで行こうとするバンドを観た──ハク。はきっと、世界を変えていく

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最近、「今いいなと思うバンドはいる?」と訊かれたら、いつも「ハク。」と答えていたのだが、ずっとライブを観たことはなくて、この日、ついに観ることができた。「"GO-東名阪クアトロツアー編-"」の初日、3月4日の渋谷クラブクアトロ公演。ちょうどこの日は新作EP『世界』のリリース日で、会場でもCDを売っていた。やはり新作のリリース日というのはお祭りみたいな気分になるもので、そんな日に初めてハク。のライブを観ることができたのも嬉しかった。

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「人の心の形みたいな音楽だなあ」と、ステージを観ながら思っていた。柔らかく、常にいろいろな形に変化しながら、でも捉えどころがないというわけではなく、確かに、真っすぐに、「私はここにいる」と主張している。「自分を保っていく」というのは生きていれば本当に大変なことだし、人がいかに簡単に嘘や見栄や狂気に惹きつけられてしまうか、というのは今という時代を見渡せばわかることだが、ハク。の楽曲や4人の演奏は、「自分を保っていく」ということに懸命に向き合っている人の心の形そのもののようだった。

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ジャンルの表層ではなく本質を捉えていくハク。の音楽は生きもののように進化していて、音源ではどんどんとプロダクションもリッチになっているし音数も増えているが、ライブではメンバー4人だけの、無駄な飾り気のない音が清々しく聴こえてきて、ライブを観ている間、気づけばまるで気の置けない友達と会話をしているような感覚で、僕は4人の演奏に向き合っていた。友達との会話の中で、ふとした瞬間に、その友達が胸の奥で本当に思っていることを話してくれたときみたいな、そんな幸福な感覚がライブに満ちていた。

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この日は、1曲目が《始まりを越えて行く、真っ白な世界に1人で》と歌い出す“無題”だったのもよかったし、3曲目の“自由のショート”の時点で僕はもう胸が詰まって泣きそうになってしまった。“あいっ!”や“夢中猫”では、バンドと観客で一緒に声を出したりリズムを鳴らしたりすることの喜びが溢れていた。その曲がいちばん生き生きとする姿で観客たちとコミュニケーションを取ろうとしていることが伝わってきて、音楽を「分かち合う」ことを大切にしているバンドだと感じさせられた。もちろん分かち合うことは、号令に合わせるようにして人と同じことを言えばいいわけではなくて、誰かと目を合わせられなかったとき、その「目を合わせられなかった」という事実に思いを馳せることもまた、ひとつのコミュニケーションだ。ハク。はそういうこともひっくるめて、聴き手と大切なものを分かち合おうとしている。

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本編の最後はメジャーデビュー曲の“それしか言えない”、そして、リリースされたばかりの最新EPの表題曲“世界”だった。ライブで聴いて、《それしか言えない》というのは「私は私でしかあれない」ということなのかもしれないと思った。“世界”では、繰り返し《世界は変わっていく》と歌う。それは「私たちは前に進んで行く」ということなのかもしれない。MCで何度か、あい(G・Vo)は今日の景色を「忘れない」と言った。今はまだ想像もつかない未来に、ハク。は行くのだろう。(天野史彬)


"GO-東名阪クアトロツアー編-"
2026.03.04 渋谷CLUB QUATTRO

●セットリスト
01. 無題
02. 直感 way
03. 自由のショート
04. ナイーブ女の子
05. あいっ!
06. 夢中猫
07. 第六感
08. 奥二重で見る
09. 南新町
10. ame.
11. ふわ輪
12. なつ
13. dedede
14. 回転してから考える
15. それしか言えない
16. 世界

Encore
17. BLUE GIRL
18. 僕らじゃなきゃだめになって


提供:TOY'S FACTORY
企画・制作:ROCKIN'ON JAPAN編集部
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