昨年夏に約5年ぶりに再始動を果たした、ロッキング・オン主催の超大型オーディションプロジェクト「RO JACK」。再始動後2度目の夏開催となった今回もTOY'S FACTORYをパートナーレーベルに迎え、史上最多となる1,100組を超えるアーティストのエントリーが集まりました。エントリー数だけではなく、音楽ジャンルの幅広さに加え、楽曲やアレンジの完成度の高さにおいても間違いなく過去最高を更新するアーティストが揃った今回の「RO JACK」。数々の選考とFINALライブを経て、WHIMSY、岬小次郎、Vuatの3組が優勝アーティストに輝きました。
ネットフィールドから登場し、このFINALライブが初ライブとなったNemurimachiや、タイトかつストイックな演奏で驚きを与えた10代バンド・Lamentsなど個性豊かなファイナリストによるFINALライブは、音楽ジャンルの垣根を越え、濃密でスピード感に満ちたエンターテインメントとしてこの日にしかない熱狂を生み出しました。その中で、WHIMSYの儚さと強い意思が同居した唯一無二の歌声、岬小次郎の色彩豊かなアレンジを可能にするメロディのパワー、Vuatの完成度の高い壮大なアレンジと歌声の融合が、優勝という栄冠を手繰り寄せました。「RO JACK」としてそれぞれに異なる個性を持った3組の可能性に懸け、ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2026のステージを出発点に、音楽シーンの主役を担うアーティストとして彼らを大きく羽ばたかせていきます。そんな期待の優勝アーティストが決定した大白熱のFINALライブの模様をお届けします。(RO JACK製作委員会)
文=ソノダマン
①アニマルパレット
Photo by タマイシンゴトップバッターは4人組バンドのアニマルパレット。サックスとベースのサポートを加えた6人編成で、どこまでもポップなサウンドを鳴らす。イントロでトランペットを吹く遠藤優希(Pf・Trumpet)が曲中にピアノ、ショルダーキーボードと楽器を替え、中村朱華(Dr)と色摩姫乃(Key)はラップ的な歌唱もするなど、そのパフォーマンスは全員から目が離せない。“パラバルーン”では、鹿間結菜(Vo)が曲中で「今日はオーディションだから勝ち負けがあるけど、リハーサルを観たら本当に素晴らしいアーティストばかりだった。だからみんなで最高の日にしよう!」と思いを口にする。ポップなメロディの力も含めて、緊張感のある会場を楽しい空気に染め上げてくれた。
●セットリスト01. KNOCK MY HEART ~あたまのなかで~
02. パラバルーン
②Laments
Photo by 郡元菜摘2番手は高校の軽音楽部で結成された3ピースバンド・Laments。貴嶋隆翔(G)が轟音を鳴らしながら叫び、瀧田淳之介(Dr)は激しいビートを刻みながらコーラスすることで、石川元寛(B・Vo)の力強さを感じさせる歌をさらに引き立てている。MCなしでひたすら音を鳴らすことによって自分たちのすべてを伝えようとするライブスタイル。ポストロックの要素を感じさせる緻密さと衝動を兼ね備えた演奏技術の高さがあり、全員が10代で、バンド結成から1年半というのが信じられないし、これからの可能性しかない。
●セットリスト01. ism
02. はかない
03. Lily is.
③Vuat
Photo by タマイシンゴ1曲目“ケロイド (Short Ver.)”で色気を感じさせる歌声が響き渡った瞬間に、巨大なステージで曲が鳴っている景色が想像できるスケールを感じさせたのが、Vuatだ。計3曲のうちの2曲がこの日のために作られた新曲だというのが、この日のライブやROCK IN JAPANに向けた気合を感じさせる。表現力の高さと圧倒的なオーラを見せながらも、観客を前にしてライブをやるのはこの日が初めてだという。とんでもない存在が現れたと思った。
●セットリスト01. ケロイド (Short Ver.)
02. 1mm (Short Ver.)
03. Make, make, make songs
④シェカラーシカ
「夢は見るものじゃない! 叶えるものだ!」と加藤さえ(G・Vo)が叫んでライブが始まった、4人組ギターロックバンド・シェカラーシカ。「バンドを始めた時は、お客さんはひとりかふたりしかいなかった。でも今は違う! こんなにたくさんの人がいてくれてる!」という熱い思いをまっすぐに歌に乗せる。鈴木海(G)が前に出てきてテクニカルなギターを鳴らす横で、加藤と伊東香寧(B)が背中合わせで演奏。パフォーマンスの熱さはもちろん、見せ方でもバンドの楽しさを感じさせてくれた。ライブハウスでライブを重ねてきたことがわかるバンドで、ライブバンドとしての強さが短い時間でも確かに発揮されていた。
●セットリスト01. 彼岸花
02. 春、ゆらぎ。
⑤梨駆
Photo by タマイシンゴ「今日は絶対優勝しにきました!」と叫んでから始まったのはソロアーティスト・梨駆。疾走感とダンサブルさを持ったキャッチーかつロックなサウンドによって、たくさんの観客の腕が上がる。ボカロの影響を感じさせるデジタルなサウンドを響かせながら、バンド編成での演奏は実に力強い。サポートギターがガンガン前に出てくる姿を含め、バンドで音を鳴らす意味を確かに感じさせてくれた。
●セットリスト01. トイボックス
02. アンテレパシー
⑥WHIMSY
Photo by 郡元菜摘nene(Vo)が歌い始めた瞬間にフロアの空気が変わったのが、WHIMSY。儚さを感じさせる歌声が、ライブハウスというたくさんの人がいる場所でも一対一で音楽と向き合わされる感覚にしてくれた。KAI(G)の轟音ギターは、まるで泣き叫んでいるかのように響く。2曲目の“Blur”では、サウンドに呼応するかのようにneneの表情が一転して明るくなった。それはこのバンドが音を通して感情を繋いでいるからだろう。
●セットリスト01. Plastics
02. Blur
⑦岬小次郎
キーボードで美しいメロディを弾きながら歌い始めたのは岬小次郎。曲調はキャッチーだが、バイオリンとサックスを取り入れたサウンドは実に情熱的だ。「手を挙げてみて!」と煽ったり、間奏のバイオリンソロに「素晴らしい!」と言ったり、ドラムと呼応するかのようにパーカッションを叩いたり──音と戯れるような岬の姿から、誰よりも音を鳴らすことを楽しんでいるのが伝わってくる。その感情が確かに歌に乗っていた。
●セットリスト01. 現代風刺歌
02. インディペンダー
⑧Nemurimachi
Photo by 郡元菜摘たてべなお(Vo)が透明感のある声を響かせると、ネットミュージック感の強いサウンドと物語を紡ぐような歌詞が聴き手の中に確かな情景を想起させた、Nemurimachi。そのサウンドをネットを飛び越えて今目の前で鳴るものにするのは、Hack-Key(B)のうねりまくるベースと、コミナミ(G)の轟音ギターだ。Aonin(DJ)は手拍子を煽りながら観客との一体感を生み出していたけれど、なんとこの日が初ライブだという。ネットの中から現実のステージに足を踏み出した瞬間だった。
●セットリスト01. たしか、夏
02. ドライブ・マイ・マイン
03. 降る星のアスター
熱演後の結果発表で優勝を勝ち取ったのはWHIMSY、岬小次郎、Vuatの3組。白熱のパフォーマンスを観たからこそ、ROCK IN JAPANでのライブが本当に楽しみになった。
優勝:WHIMSY(Photo by タマイシンゴ)
優勝:岬小次郎(Photo by タマイシンゴ)
優勝:Vuat(Photo by タマイシンゴ)ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2026
RO JACK優勝アーティスト出演日9月13日(日) WHIMSY
9月19日(土) Vuat
9月20日(日) 岬小次郎
RO JACK オフィシャルサイト
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2026 オフィシャルサイト