「LIVE SPARKS!」では、今注目すべき新進気鋭のアーティストのライブレポートをお届けします!
「愛だの恋だのラブソングだけを歌い続けるバンド」moon dropの、東京・大阪・愛知を巡るコンセプトライブ「月までラブストーリー」。初日の東京、SHIBUYA CLUB QUATTROはソールドアウト。この日は「初恋・片想い・青春編」と題し、まさにそのタイトルズバリなセットリストで、彼らの真骨頂である恋の甘酸っぱさやもどかしさ、切なさを表現する楽曲が次々に披露されていく。
前半、浜口飛雄也(Vo・G)が曲中に「歌える?」とシンガロングを促し、曲終わりに「どうもありがとう」と伝える以外は長いMCを挟むこともなくほぼノンストップで楽曲が繰り出されていく。なんの言葉も説明も不要なのだ。moon dropは、歌そのもの、音楽そのものが、彼らが表現し続けていきたい「恋」や「愛」のエモーションに溢れている。
原一樹(Dr)のドラムと坂知哉(B・Cho)のベースが心ときめくリズムでバンドを支え、清水琢聖(G)のギターが抑え切れない感情を眩しく解き放つ。そのサウンドの上であたたかく、切なく響く浜口の歌。ただそこに彼らの音楽があるだけで、オーディエンスは自然と自分の胸の内にある(あった)「愛」や「恋」を思い浮かべることができるのだ。moon dropが思い描いていたのはまさにそんなライブだっただろう。着実にキャリアを積み重ねてきた彼らは、今まさに100%、歌と音楽の力だけでリスナーの心を揺り動かしている。満面の笑顔でシンガロングする人もいれば、何かを思い出したかのように涙を流す人も。特に前半に披露された“ブルーフィッシュ”は素晴らしかった。ひと夏の青春のようでもあり、永遠に続く恋のようでもあり、moon dropが描く「青さ」の中に抗いがたいノスタルジーとタイムレスな希望を感じた。
さらにスピードを加速させる後半。「みんなのキラキラした思い出も悔しかったことも、ここで全部吐き出せ!」と告げて披露した“どうにもならんわ”では、《君に恋してしまったんだ》の特大シンガロングが起こる。その勢いのまま「新曲やります!」とハイパーなギターサウンドから、まだ曲名もない歌がドロップされる。数え歌のようなおおらかな片想いソングに会場も大いに沸く。
そして“寝ても覚めても”で描く、深く永遠に続くかのような恋心に会場中が没入した。曲中で浜口が客席に向けて、「君の涙をぬぐってくれる人が絶対にいるから」とつぶやいたのも印象的。そのバラードのあとには、「これからもいろんなことに恋焦がれて、好きになったり、傷ついたりしていくと思います。でも大丈夫。そういうの全部、moon dropにかかわるきっかけにして」と言って歌った“麦埼灯台”。《サラバ青春なんて言うなよ》と歌うこの曲こそ、moon dropが「恋」を歌い続ける理由を示したもののようにも響く。「恋」とは恋愛のことだけではない。人生の中で追いかけ続けたい夢、諦められない想い、そのすべてが「恋」だとmoon dropは歌う。彼らが歌う「恋」の意味を深く理解したライブだった。
完璧に「初恋・片想い・青春」というテーマの本質を刻みつけた本編。だからこそ余韻を消さないように「アンコールなし」なのも正しい。それでも客席の拍手はしばらく鳴り止むことがなかった。(杉浦美恵)
このライブレポートは、6月30日発売の『ROCKIN'ON JAPAN』8月号にも掲載!
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●リリース情報
配信シングル『アイライン』
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●ライブ情報
moon drop concept oneman live「⽉までラブストーリー」
▼concept:初恋・⽚想い・⻘春編
2026年5月31日(⽇)
東京・SHIBUYA CLUB QUATTRO
OPEN 16:00 / START 17:00▼concept:失恋・メンヘラ・未練編
2026年6月17日(⽔)
⼤阪・UMEDA CLUB QUATTRO
OPEN 17:30 / START 18:30▼concept:恋路・軌跡・運命編
2026年6月18日(⽊)
愛知・NAGOYA CLUB QUATTRO
OPEN 17:30 / START 18:30※全公演SOLD OUT詳細はこちら
moon drop オフィシャルサイト
提供:Getting Better Records
企画・制作:ROCKIN'ON JAPAN編集部