一見すると、Teleは若手アーティストの中でも難解でトリッキーな動きをしているように見えるかもしれない。前作『NEW BORN GHOST』から3年弱。以降、“Véranda”から“残像の愛し方”まで実に14枚の配信シングルをリリース。これらをすべて収録しつつ、さらに7曲の未発表曲を加えて完成したニューアルバム、それが『「残像の愛し方、或いはそれによって産み落ちた自身の歪さを、受け入れる為に僕たちが過ごす寄る辺の無い幾つかの日々について。」』。しかし、このアルバムを聴いて、そのライブを体感してもらえばわかるはず。今の時代において、最も無防備にまっすぐミュージシャンシップに忠誠を誓いながら音楽にすべてを懸けて、そこから誰も見たことのないような花を咲かせる可能性を秘めた男、それが谷口喜多朗なのである。そして、このインタビューはそのパーソナリティーの背景にあるものを、その音楽同様の率直さで語り尽くした恐ろしく濃いものとなった。待つ側から誰かを迎えに行く側になった感覚がある。
ようやくミュージシャンって言っていいかもって
インタビュー=古河晋 撮影=Adi Putra
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年6月号より抜粋)
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