ザ・オフスプリングを東京ガーデンシアターで目撃!

ザ・オフスプリングを東京ガーデンシアターで目撃! - pic by KAZUMICHI KOKEIpic by KAZUMICHI KOKEI
ポップパンクの金字塔、ザ・オフスプリングが最新アルバム『SUPERCHARGED』を引っ提げて来日! 40年超のキャリアを誇る彼らが東京ガーデンシアターで魅せた、衰え知らずのパッションに満ちた一夜を完全レポート。
90年代のヒットソングから最新楽曲まで――ザ・オフスプリングのすべてを網羅した今回のツアー。そのスタートを飾った一夜は、各時代のエッセンスを存分に発揮した圧巻のステージングで、オーディエンスのテンションは終始爆発しっぱなしだった。その全貌を完全レポート!

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オープニングを飾ったのは、ポップパンクシーンのマスターピース『Ixnay on the Hombre』収録の“All I Want”。
暗闇から響くデクスターの掛け声を合図に、疾走感とキャッチーさを兼ね備えたこの代表曲でライブは幕を開けた。バックスクリーンには名作ゲーム『クレイジー・タクシー』のスタート画面が映し出され、90年代の空気を完璧に再現。その時点で今夜のライブは、早くも完成されたかのような高揚感に包まれた。

続く2曲目“Come Out And Play”では、エスニックなリフが光るギターワークが炸裂。基本に忠実なパンクチューンに遊び心を盛り込んだこの曲のコーラスでは、壮大なシンガロングが巻き起こり、バンドと観客が一体となった熱気が会場を満たしていった。


さらに3曲目“Want You Bad”では、悪ガキ精神と純粋な恋心が入り混じったリリックを、爽快なポップサウンドが彩る。淡さとパンク精神――その両極が共存するザ・オフスプリングの真髄を、日本のパンクキッズたちの胸に改めて深く刻み込んだ。

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しかし、名刺代わりの代表曲3連発を経ても彼らの本番はまだまだここから。
第2幕では、過去のヒット曲に最新作『SUPERCHARGED』からの新曲を巧みに織り交ぜ、新旧オフスプリングを交互に楽しめる、長年のキャリアを総括するようなセットリストが展開された。

そんな中盤のハイライトは、“One Fine Day”や“What Happened To You?”といったスカパンク色の濃いナンバー。リズミカルなサウンドに乗ってメンバーたちもノリノリで、特にヌードルズがウキウキとダックウォークを披露する場面は非常にチャーミングだった。ストレートなパンクナンバーとはまた違った、一体感が生まれていた。


さらに興味深かったのは、オフスプリング流メタルソング“In The Hall Of The Mountain King”の披露だ。インストゥルメンタルであるこの楽曲では、デクスターに代わりヌードルズがステージを主導。彼らしいコミカルな演出と相まって、音楽的にもエンタメ的にもとびきり楽しい瞬間となった。

そして、今夜最大のハイライトは、アンコールで披露された“Pretty Fly(for a White Guy)”、“Self Esteem”、“The Kids Aren't Alright”の怒涛の3連発。
中でも“Self Esteem”の盛り上がりは別格で、会場全体を包み込む壮大なシンガロングは、文字通り「会場が一つになった瞬間」だった。不朽の名曲を、40年経った今も衰えることのない抜群のコンディションで生演奏で体験できたことは、本当に幸運だったと心から思う。

なお、ここでは演奏面ばかりにフォーカスしてしまったが、ザ・オフスプリングの魅力はMCにもある。ストレートにエネルギーを開放する演奏の合間に挟まれる、コミカルでチャーミングなやり取りは必見だ。(ネタバレ防止のため、詳細はここでは控えておきます……!)

時空を超えて、ザ・オフスプリングの魅力を多面的に体感できる最高のパンクショー。
こんな夢のようなステージはそうそうない。明日の東京公演に行こうか悩んでいる方がいるなら、ぜひ足を運び、この熱狂を全身で体験してほしいと思います。絶対に後悔はしないです……(北川裕也)
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