いきものがかりは昨年11月、結成25周年を迎えた。メジャーデビュー以来、彼らは常にJ-POPの「ど真ん中」で多くの人の心を揺らすポップソングを響かせ続けてきた。たとえばデビューシングル曲“SAKURA”にしても、どれほど年月が経とうとも、桜の季節が訪れるたび、水野良樹(G・Pf)の紡いだあの抒情的なメロディと吉岡聖恵(Vo)の鮮烈な歌声が自然に思い浮かぶ。“ブルーバード”も“YELL”も“ありがとう”もそうだ。いきものがかりが形にしてきたポップソングは時を経ても胸を打つ普遍的な魅力に溢れている。今、グループとしてすごくいい状態で新陳代謝できていて、「また1枚目からのスタートだね」っていう感じ
そんないきものがかりの最新アルバム『あそび』が完成した。このアルバムを水野は「2回目の1枚目」と表現している。その言葉の通り、このアルバムはとてもフレッシュな遊び心とポップセンスに溢れている。初めてグループ外のクリエイターに作詞を委ねたり、初めて「meets」するアーティストと新鮮な気持ちで音楽を楽しんだり、いきものがかりのモードは、今再び新たな衝動を得てさらなる「ポップ」を追求するものとなっている。何より先にライブで披露された“会いたい”がとにかく素晴らしい。
今ふたりはどんな思いで「いきものがかり」を見ているのだろうか。結成当時から現在に至る軌跡を追いながら、『あそび』と名付けられたこの大充実作ができあがるまでを、ふたりに語ってもらった。
インタビュー=杉浦美恵 撮影=澤田健太
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年6月号より抜粋)
『ROCKIN'ON JAPAN』6月号のご購入はこちら
*書店にてお取り寄せいただくことも可能です。
ネット書店に在庫がない場合は、お近くの書店までお問い合わせください。