タイトルもジャケもコンセプトも含めて、やりたいバンド像がここに詰まってる

サバシスターの新作EPの名が、『My girlfriend is PIZZA OF DEATH』だと知って、最高すぎて笑ってしまった。しかも表題曲にはOi!パンクの“My girlfriend is PIZZA OF DEATH”とスカパンクの“My girlfriend is PIZZA OF DEATH II”（以下“Ⅱ”）の2パターンあって、MVも頭をツンツンにさせた“My girlfriend is PIZZA OF DEATH”と黒スーツでカッチリ決めた“Ⅱ”の2種類があるというやりたい放題っぷり。今作にはau「三太郎」シリーズのお正月CMのために書き下ろした“ハッピーなんて”と初のアニメ主題歌“ふしぎなきみ”という大型タイアップ曲も収録されているけれど、サバシスターのアイデアは留まることを知らずますます自由になっている。

そんな楽曲の自由さとは反対に、4年目を迎えたバンドの存在感はどっしりしてきていて、同世代も先輩も巻き込みながら「新世代」「ガールズ」といった肩書を取っ払って「バンド」としてシーンの中心に立ち始めた。バンドとしての着実さが増せば増すほど、その土台の上で自由に遊べる幅が広がっていて、ハイエースで全国を回る堅実さと「これ面白くね？」という無鉄砲な軽やかさを両立させているからこそ、サバシスターはこんなにも素晴らしいのだ。

インタビュー＝畑雄介　撮影＝川島小鳥
（『ROCKIN'ON JAPAN』2025年6月号より抜粋）

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