悲しいのは一人で充分だからと
これ以上醜くなりたくないのと
私の中で誰にも見付けられずに
こんな色になるまで泣いていたんだね
綺麗よ
（“ブルーアンバー”）

4月28日にリリースされた、back numberの2025年第1弾となる配信シングル曲“ブルーアンバー”。4月クールのTVドラマ『あなたを奪ったその日から』の書き下ろし主題歌でもある同曲は、至上のメロディ越しに「隠しきれない内なる想い」を悲壮なまでに美しく描き上げた名曲である。そして、“高嶺の花子さん”や“大不正解”“僕の名前を”などの楽曲を手掛けてきた名匠・蔦谷好位置によるプロデュースワークが、メランコリックな「個」の感情の機微を雄大なロックバラードへ昇華するうえで重要な役割を果たしている。──といったポイントは、改めて詳述するまでもなく多くの方がすでに実感していることと思う。が、この楽曲における清水依与吏の筆致は、back numberの表現により一層深く強い訴求力を与えているし、それによって「揺らぐ心を歌の彼方へ解き放つ」という音楽自体の在り方を新次元へと押し上げている。（以下、本誌記事に続く）

文＝高橋智樹
（『ROCKIN'ON JAPAN』2025年6月号より抜粋）

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