『ROCKIN'ON JAPAN』最新号(2020年10月号)New Comerより
群馬県在住の2人組、どんぐりず。メンバーは森(担当:早口坊主)とチョモランマ(担当:変態毒キノコ)。メンバー名もパート名もなめているが、2015年にリリースしたファーストアルバム『世界平和』の1曲目は“あごの皮が剥けて痛い”。そしてラストは“うんこがでそうででない”。両方とも曲名をほぼそのまんま、メロディに乗せて歌いつつ、“I Love You Again”という曲のロック.verとレゲエ.verとパンク.verと3つのアレンジがそのままの曲名で3曲に分けて連続で収められていたりと、完全なる愉快犯の弾き語りユニットだった彼らだが、それから月日が経ち、数々のMVをYouTubeに投稿。ヒップホップ、シティポップ、ヘビーメタル、ボサノバ、エレクトロ、歌謡曲……と多様なジャンルをおもしろいようにカットアップした巧みなサウンドメイクを披露しつつ、あらゆるアイディアや遊び心を詰め込んだMVでのふたりの佇まいはとてもYouTuber的だ。
デビュー曲にあたる今年4月にリリースされた“jumbo”は、地元の群馬県桐生市で「シンプルにふざけた1曲」というテーマのもと音源、MVを制作。クールなトラックとキャッチ―且つテクニカルなラップとキッチュなコミカルさをシンプルに掛け合わせている。6月リリースの“nadja”は、トラップとフューチャーソウルをミックスしたようなトラックで、《俺らはyellowmen 金叩きなboy》というリリックが呪文のように繰り返され、この一連のリリースにより、「どんぐりずって何者?」という波紋がジワジワと広がっていった。
最新曲は8月26日に配信リリースされたばかりの“マインド魂”。ダークなトリップホップ調のトラックにギターが乗りつつ、《MY MIND/ゆうとりますけど/ゲリラ/真面目な話 あからさまな方々》と、意味があるのか不明なリリックが。なめきってるようで、確実にラップもトラックメイクもパフォーマンスもスキルアップしている。残念ながら延期となったがSUPERSONIC 2020への出演も決定。今後エンタメシーンをかき回す存在になるのかも!?(小松香里)
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どんぐりず、エンタメシーンの風雲児となるか!?
2020.09.09 12:00