音楽とは、この世界でいちばん身近な「自分」と向き合うための手段である。音楽を聴いている間は、取り繕って笑う必要もないし、馴染めない輪に無理して交ざらなくてもいい。あなたがあなたのままでいられる空間が、いつだってそこに用意されている。笑顔でいないと友だちと仲良くなれないとか、自分を守るために嘘をつくとか。
そういう自分じゃない世界には馴染まずに、自分だけの宇宙をちゃんと見つめたい
NOMELON NOLEMONの3rdアルバム『EYE』は、そんな音楽の力にポップスで真正面から向き合った作品だ。1曲目の“カイカ”で《さよなら 世界》と告げ、時に自分の心を覗き込みながら、海の底から宇宙の果てまで旅を続けていく。その旅が最後に辿り着くのは、ツミキとみきまりあの共作詞による“I THINK”。《僕らは考えた》で始まるこの曲は、《ひらめきがきっと世界を変える》《未来はうつくしいよ》とバカ正直に歌い上げる。空想だけで腹は満たせないし、理想だけでは夢は叶わない。でも、このアルバムに触れている時間だけは、ほんの小さなひらめきが世界をポジティブに変えてくれるんじゃないかと心の底から思わせてくれる。そんな音楽の力に満ちた『EYE』を作り上げたふたりの言葉もまた、音楽への熱い情熱で溢れていた。
インタビュー=畑雄介 撮影=北岡稔章
(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年4月号より抜粋)
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