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ユニットの世界観をひとつ確立させたアルバム『ルール』以降、前々作“どうにかなっちゃいそう!”ではハイパーなエレクトロヒップホップ、前作“水光接天”では壮大なロックバラードと振り幅を見せてきたNOMELON NOLEMON。新曲はまた方向性を変え、淡々としたドラムンベースが印象的なポップスだ。劇場先行版『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』の挿入歌ということで、浮遊感溢れるイントロやリフからまさに宇宙が想起され、楽曲によってさまざまなビートを操ってきた職人・ツミキのセンスが光る。一方、《さよならと聞こえた気がした/途切れてしまった赤い糸電話で》と始まる歌詞では、スペースオペラというより「私ときみ」の小さな世界に焦点をあて、普遍的な感情を描くギャップが絶妙。強さと弱さを併せ持つみきまりあの歌声が切なさを掻き立て、SNS上で「これは○○の視点では?」と考察が盛り上がっているのも納得だ。どんどん新境地を開拓しているふたりの進化から目が離せない。(後藤寛子)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年5月号より)
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