大森元貴が最初にソロで楽曲をリリースしたのは今からちょうど5年前、2021年2月だった。前年にMrs. GREEN APPLEのフェーズ1完結が宣言され、バンドとしての活動を休止している最中のことだった。ミセスのフェーズ2がいつどんなふうにして始まるのか、やきもきしていたところに届いたのが“French”で、初めてその音楽に触れた時、確かにこれは大森のソロでなければ発露しなかった音楽の衝動であると思えた。けれど、彼がミセスで表現していること、その核心ともいうべきテーマは、むしろソロで、よりプリミティブに伝わってくるような気もした。歌と音のみならず肉体的な動き=ダンスも加わって、大森の人生観、死生観、ひとりの「人間」としての思想がより伝わってきたからだ。誰もがこの世に生まれ落ちたあとは不可逆的「死」に近づいていく。その覆しようのない真理の中で、大森は「生」を、そして「愛」を想い、歌にする。それがソロでの表現ではよりパーソナルな思想として届くのである。(以下、本誌記事に続く)
文=杉浦美恵
(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年4月号より抜粋)
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