おいしくるメロンパンの新作『eyes』は、今回も5曲入りのミニアルバム。音楽を通して自分を知り、世界を知り、人間を知ろうと試みる、もはや哲学者のような佇まいのこのバンドは相変わらず、反復の中から変化を察知しようと試みている。しかし今回いつもと少し様子が違うのが、初回限定盤のバージョンによって、今作には『phenomenon』と題されたボーナスディスクが付属する。『phenomenon』も5曲入りのミニアルバムである。明らかに、何かが変わり始めている。ナカシマ(G・Vo)曰く、バンドのイメージカラーも青から緑に変わったそうだ。青春の季節が終わった、ということなのかもしれない。昔は「この一瞬の自分」について、だったんですよね。でも今は「これから」も含めた自分。刹那的ではない、もっと俯瞰している感じはあります
このふたつの新作について、ナカシマに話を聞いた。「デザイン」であることの大切さ、左右対称、「見る」こと、世界にひとつの海。彼らしいキーワードがコロコロと転がりながら心の輪郭を作っていく、そんな取材になった。
インタビュー=天野史彬 撮影=Takako Noel
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年6月号より抜粋)
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