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傑作『Gen』から半年。そのツアーも幕を閉じた今、静かな余韻をもたらすような美しい名曲が星野源から届けられた。映画『平場の月』の主題歌として書き下ろされたこの“いきどまり”の演奏者としてクレジットされているのは、ボーカル/コーラスの星野源と、ピアノの櫻田泰啓というふたりのみ。「歌とピアノ」というミニマムな世界、イントロもアウトロもない研ぎ澄まされた音楽世界に繊細な空間処理やオーバーダブが施されており、歌とピアノだけだからといってシンプルなスケッチのような楽曲ではなく、その静謐さの奥に鮮やかで、深く、緻密な音楽の躍動がある。音が途切れる、その瞬間にすら「音楽」があることを感じさせるそのサウンドは、また同時に、命が途切れる、その瞬間にある「命」の存在も浮き彫りにする。歌詞には、人が人を愛して生きることの温かさと悲しみが刻まれている。歌われる《間違いだらけの優しさ》という言葉、そこにある傷と、許しが、この曲を聴いていると、この身にそっと沁み込んでくる。(天野史彬)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年1月号より)
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