【JAPAN最新号】攻めろ、Saucy Dog!心の奥底に深く潜ってさらけ出した2つの新曲、“この長い旅の中で”と“poi”。アリーナツアーを駆け抜けさらなる攻めに転じる胸中を、石原慎也、語る

【JAPAN最新号】攻めろ、Saucy Dog!心の奥底に深く潜ってさらけ出した2つの新曲、“この長い旅の中で”と“poi”。アリーナツアーを駆け抜けさらなる攻めに転じる胸中を、石原慎也、語る

なんとなく予想できる曲みたいなのはもういいかなって。
Saucy Dogってこういう系のバンドでしょ、がもうあるじゃないですか。
そのイメージみたいなものをぶちのめしたいなって感じですね。ひっくり返したい

アリーナツアー「It Re:ARENA TOUR2023-2024」を3月31日の横浜・Kアリーナでのファイナルをもって完走したSaucy Dog。僕はそのファイナルを観たが、大きな会場で、でもどこまでもサウシーらしく、自分たちの音楽を丁寧に届けている姿が感動的だった。曲によってサポートギター(石原慎也や秋澤和貴と同じ専門学校に通っていたギタリスト・作田泰地)が参加したり、特効や映像などの演出もあったりしたが、その中心にあるのは常に石原、秋澤、せとゆいかの3人のトライアングルで、そこに対する自信がここにきてさらに強固になっている感じがした。
そんなライブで受けた印象は、ここのところ彼らがリリースする楽曲にも表れている。映画『52ヘルツのクジラたち』の主題歌となった“この長い旅の中で”、そしてアニメ『烏は主を選ばない』のオープニングテーマとなっている“poi”。今年に入って届いた2曲は、どちらも別のベクトルで、Saucy Dogの表現をさらに深め、広げるものになっていると思う。“この長い旅の中で”は映画のストーリーに寄り添いながらも石原の内面がいっそう強く滲むものになっているし、音像からして新鮮な“poi”は、このインタビューでも語られている通り、すでに彼らの代表曲となっている“怪物たちよ”と通底するテーマをより激しく、鋭く爆発させるような楽曲だ。ここまで培ってきたSaucy Dogらしさという土壌を正しく愛しながら、その上でどんどん攻めに出ていけるだけの自信と自負が、今の彼ら、とりわけソングライターの石原を走らせているのかもしれない。

インタビュー=小川智宏 撮影=川島悠輝
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年6月号より抜粋)


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