BE:FIRSTの新曲、そのタイトルは“Masterplan”である。その前のシングル曲のタイトルは“Mainstream”。あえてざっくりと言いたいのだが、僕はBE:FIRSTのこういうところが好きなのである。「これが俺たちの考えるメインストリームだ」と宣言したうえで新曲を届ける。「これが俺たちのマスタープランなんだ」とハードルを上げ倒したうえで新曲を放つ。一切合切のごまかしと言い訳を排した、堂々たる真正面からのファイティングポーズ。そうして届けられた楽曲がいずれも、極限まで音数を洗練させた、重く鋭い漆黒のヒップホップなのである。戦い方としてかっこよすぎだろう、と僕は思う。「ああ、ほんとに音楽をただ楽しんでる人たちなんだな」って思ってもらえることが増えた。
それがBE:FIRSTとしての大きな成功で。僕たちは自分たちで自由を手に入れた
デビュー以来、目標のひとつとして掲げてきたドーム公演を、それぞれに輝く7つの個性を乱反射させるように、鍛えあげた地力でやり切ってみせた7人。彼らがこだわってきたハンドマイクでのパフォーマンスもまた確かな説得力を放っていたと思う。今回のインタビューは、“Masterplan”に至るまでの背景を追っていったものだが、それは同時に、BE:FIRSTの生き方とは何かをあらためて問うていく作業でもあった。ドームで見た景色と確信、そして新たな音楽を強い「宣言」のもとで発表していくという戦い方。僕たちがこの7人に惹かれてやまないその鮮烈な理由が彼らの言葉には詰まっている。
インタビュー=小栁大輔 撮影=TAKAKI_KUMADA
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年6月号より抜粋)
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