COUNTDOWN JAPANを止めない――
年末フェスが幕張に帰ってきた4日間！
開催初日、ステージエリアを巡回していると、椅子に座りながら持参したマジックで絵馬に願い事を書き込んでいる男女ふたり連れがいた。何を書いているのか覗き込みはしなかったが、細かい文字で必死に書いていることだけはわかった。一緒に笑い合いながら。その時、フロントのPAからジングルが鳴り、LEDビジョンにアーティスト名が映し出され、慌ててそのふたりはマジックのキャップを閉めて立ち上がって両手を上げていた。それを見ていて、なんだかとっても幸せな気持ちになった。
我々はよくフェスは非日常の祝祭空間だという。
しかし2年ぶりとなるCOUNTDOWN JAPAN 21/22は、すべて例年とは違う形での開催となった。EARTH STAGEのみの1ステージで座席指定。幕張メッセ1〜8ホールのみとなる会場レイアウト。年越しのカウントダウンアクトはなし。飲食エリアで恒例となった無数のLED提灯もなし。
でもこの4日間、幕張メッセはずっと特別な高揚感に包まれていたと思う。すべての参加者が、すべてのアーティストが、このフェスを続けたい、このフェスを守りたい、そのために今できることに向き合いたい、そう思ってくれたパワーの集合が、今年の幕張を「非日常の祝祭空間」に変えてくれたのだと思う。
音楽を止めない。フェスを止めない。そして、COUNTDOWN JAPANを止めない。
何年かして、今回のCDJのことを笑って思い出したいと思う。
この特集では、この4日間を一緒に作ってくれた参加者の皆さんの思い出と、最高のアクトを繰り広げてくれた全32組のアーティストの写真とセットリストを完全収録した全38ページでお届けします。
今、あらためて楽しんでもらえたら嬉しいです。（海津亮）
（『ROCKIN'ON JAPAN』2022年3月号より抜粋）
