【JAPAN最新号】星野源、これが本当の自分──6年半ぶりのニューアルバム『Gen』、そして現在の自分自身をありのままにすべて語る

【JAPAN最新号】星野源、これが本当の自分──6年半ぶりのニューアルバム『Gen』、そして現在の自分自身をありのままにすべて語る

今ある自分の周りとか、景色とか、こうだよねっていう、ただその状態を書いている。だから『Gen』ってアルバムでもありなんじゃないかなって。「俺をわかってくれ」だったら恥ずかしくなってる

『Gen』というタイトルが示す通り、これはひとりの人間・星野源がこの世界に生きていて感じるありのままを、ひとりのアーティスト・星野源が思うままに描写し尽くした、究極の到達点のようなアルバムだ。ポップであることを言い訳にしないポップアルバム、歌であることを真実からの逃げ道にしない歌、と呼べばいいのか。凄まじいまでのレベルに達した傑作アルバムだ。

この6年半ぶりのアルバムには“創造”や“不思議”“喜劇”などすでにリリースされた有名曲も収録されているが、それらの曲を含めて、そしてさらに新たな収録曲が加わって、星野源が『POP VIRUS』以降にいかに大きな変化の時期を迎えたかを物語っている。
まず最も大きく変わったのはギターではなくDAW(音楽制作をPC上で行うためのソフトウェア)によって曲作りを行ったという点だ。コードの流れに委ねることなく、感情や情景をより緻密に微細に描き切る、その解像度や質感がこのアルバムの大きな特色になっている。そしてグルーヴもギターのスイング感ではなく鍵盤のバウンス感へとシフトしている。かなり大きな変化だ。
もうひとつ、大きく変わったのは、そうした精度の高い作曲方法に変えたことで、人間・星野源のリアル、星野源から見た世界のリアルがこれまでとは違うレベルで曲や歌詞の中に表出しているという点。もともと星野源の歌には東洋の諸行無常とブラックミュージックの楽天性が溶け合ったような独自の視線や感覚があったが、このアルバムの楽曲ではその域をも超えて、歓喜のようで歓喜とは違う、憂鬱のようで憂鬱とは違う、美しい無力感のようなものが躍動する音楽の中に漂っている。“Mad Hope (feat. Louis Cole, Sam Gendel, Sam Wilkes)”や“Memories (feat. UMI, Camilo)”“Eden (feat. Cordae, DJ Jazzy Jeff)”といった海外アーティストとのコラボレーションによって今まで以上に大胆な音楽的チャレンジに挑みながら、歌の世界観は星野源そのものを極めた、まさに極致のようなアルバムである。

6年半をかけてここまでの作品を作り上げた星野源は今何を思うのか。
『Gen』と名づけたこのアルバムに星野源が込めたものは何なのか。
そのすべてに星野源は赤裸々に応えてくれた。

インタビュー=山崎洋一郎 撮影=笠井爾示(KATT)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年7月号より抜粋)


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