シャイトープのバラードは素晴らしい。「そんなこと言われなくても知ってるよ」とツッコまれそうだけど、新曲“再会”を聴いた今、改めて声を大にして言いたい。心の柔らかいところをそっと撫でる言葉、印象派の絵画のように繊細に滲むメロディ、「歌」という主役を引き立てる名脇役としての演奏──シャイトープらしさは変わらず、しかしこの“再会”にはたくさんの「初めて」が詰まっている。だからこそ、素晴らしいと言いたい。大きなポイントは編曲に外部のアレンジャーが加わったこと。ストリングスやピアノが冬の街を彩るイルミネーションのように光り輝きながら、彼らが「ポップス」という、音楽シーンのより大きなフィールドで戦い始めたことを示している。運命かどうかはわからなくても、「この出会いは約束されてた奇跡なんじゃないか」って
思えること自体がすごく素敵なことだなって
KT Zepp Yokohamaでの最大キャパライブについてや、ボイトレに通い始めたみたいな近況、「運命とは?」「バラードとは?」という抽象的な質問まで今回もいろいろと訊いたけど、一見関係ないエピソードすべてが、この“再会”という曲で起きた進化に繋がっているような気がした。ピュアでいてタフなシャイトープの才能に再び出会い、愛しい気持ちでいっぱいになった。
インタビュー=畑雄介 撮影=増田彩来
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年2月号より抜粋)
『ROCKIN'ON JAPAN』2月号のご購入はこちら
*書店にてお取り寄せいただくことも可能です。
ネット書店に在庫がない場合は、お近くの書店までお問い合わせください。