藤原基央(Vo・ G)はよく、ライブを「待ち合わせ」と表現する。「待ち合わせ」と言うからには、一方通行では成立しない。約束を交わしたお互いが、自らの意志で約束の場所に辿り着くからこそ「待ち合わせ」は成立する。だから、それは奇跡のようなことである。だって、あなたは、私とは別の窓から世界を見ている人間だから。極端な言い方をすれば、それぞれに生きる意志があるから、待ち合わせは成り立つ。そういうことをこのツアーで19回、彼らは確かめてきたのだろう。だからファイナルの東京ドームで、こんな言葉が飛び出したのだろう──「生きていてよかった」と。生きることを、諦めないでよかった、自分も、あなたも。そんな想いがきっと、その言葉の奥には渦巻いていた。 (以下、本誌記事に続く)
文=天野史彬 撮影=太田好治、ヤオタケシ、鳥居洋介
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年2月号より抜粋)
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