今のmuqueの充実っぷりが晴れやかに伝わってくる取材だった。途中、takachi(Track make・Dr)が今作の手応えとメンバーへの想いを語る中でちょっと涙ぐんだようにも見えて──そのときtakachiはものもらいを患ってて、それもあるかもしれないけど、いや絶対にそれだけじゃない──選ぶ言葉や間の重みからも、どれだけ自分たち自身がmuqueの音楽に感動できているかが伝わってくる場面だった。今年に入ってからmuqueはさらに多くのリスナーと対峙することとなったが、その中でAsakura(Vo・G)のマインドも歌も大きく変化し、アルバムには軽やかなメロディの中に包容力も頼り甲斐もある歌と言葉が並んでいる。結成から約2年半、4人で繰り広げてきた音楽的&人間的な冒険で得たアルバム『Dungeon』という宝石の重厚感を、ここから感じてもらえれば幸いだ。今まではいかにクールに自分を魅せるかが重要だったんですけど、今はいかにみんなへ届けて、どういうふうに喜んでもらえるかを重視して歌うようなりました(Asakura)
インタビュー=矢島由佳子 撮影=伊藤元気(symphonic)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年11月号より抜粋)
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