今のMr.ふぉるては、ひとつのコミュニティというか自分のひとつの居場所だなって。戻ってきて、それをすごく実感しました(吉河)
《ふと、君が自分で自分を/殺そうとしてしまいそうな夜に/死ぬには惜しいと/とどまれるほどの何かを作るよ》(“Chaplin”)
この一フレーズだけでも十分に覚悟と熱量を感じでもらえると思うが、今を生きる、特に若い世代の生きづらさ、そしてそれを乗り越えて生きていこうとする本能に最もまっすぐ応える音楽を生み出すのがMr.ふぉるてだ。初期から、ずっとブレることなくそういうバンドなのだが、様々な紆余曲折を経て完成されたセカンドフルアルバム『音生 -onsei-』では、今のポップ・ミュージックシーンの中で最も有効に、その根源的なメッセージを伝えるための新しいMr.ふぉるてのロックの形が確立された。インタビューを読んでもらえばわかるように、4人のメンバーがそれぞれの役割と課題において大きな成長を遂げ、あなたがこの世界を生きるに値する場所だと実感するための音楽のエリアを生み出した。素晴らしいアルバム。そして、改めて素晴らしいバンドだ。特にここ数年、彼らにディープなインタビューをしてきたが、今回はその集大成とも言える内容になった。
インタビュー=古河晋 撮影=太田好治
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年3月号より抜粋)
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