バーチャルアイドルという存在をロッキング・オン・ジャパンとして、ここまで大きく取り上げるのは初めてだ。しかし、我々は星街すいせいをバーチャルアイドルだから取り上げるわけではない。活動の形態がどういうものであるかは一度置いておいて、その楽曲と歌唱表現は、彼女自身の感性と世界の間の摩擦から生まれていて、それは切実なメッセージと音楽的な発明になっている。シンプルに言うと、星街すいせいの音楽は明らかにロック的なものを持っているから、ロッキング・オン・ジャパンは彼女に正面からシリアスにインタビューをすることにした。私は、アイドルだと名乗っているけど、アイドルもロックンロールなところがあると思っていて。そういうところをもっと見せたい
ここで特にフィーチャーしている、彼女自身が作詞作曲をした“綺麗事”、MI8k作詞作曲の“放送室”、TAKU INOUE作曲の“Stellar Stellar”、キタニタツヤ作詞作曲の“天球、彗星は夜を跨いで”“TEMPLATE”、ツミキ作詞作曲の“ビビデバ”──ひとまずどんなに偏見を持っている人にも、この6曲は必ず聴いてほしい。そのうえで、シリアスなインタビューに正面から答えきる星街すいせいの感性に耳を澄ませてみてほしい。
一方、星街すいせいがどんなアーティストかをよく知っている人たちには、このインタビューで改めて彼女の音楽で世界と向き合う姿勢を再確認しつつ、今年の3月に個人事務所「Studio STELLAR」を設立し、誰も踏み出したことのない道に進み始めた彼女の魂の現在地を知ってもらいたい。最新曲“GUM & DROP”は、まさにその現在地を真新しい音楽のフォルムとして示したものになっている。星街すいせいの革命はもう始まっていて、ここはその意志が世に刺さり始める重要なターニングポイント。そのことを、この10ページの記事に刻めたと思う。インタビュー=古河晋
(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年10月号より抜粋)





