2025年の初のスタジアムツアー、そして年を跨いで行われたファンクラブツアー「FOUR-RE:ISM」。かたや演出もセットリストもそれまでの軌跡の集大成のようなものとなったビッグスケールのスタジアムライブ、かたやサポートメンバー抜き、4人だけの音で回ったコアファン向けのツアー。昨年から今年にかけてのOfficial髭男dismはベクトルも構成もそこに込めたものもまったく異なる、両極端ともいえるライブを重ねてきた。もちろんそれぞれに明確な意図と意味があり、それは実際にライブの現場でもはっきりと感じることができたわけだが、両方をやってこそ見える景色、得られる感覚というものが、きっと彼ら自身の中にもあったのだろう。Kアリーナ横浜でヒゲダンが見せたのは、まさにその両極のど真ん中を射抜きOfficial髭男dismというバンドの中心座標を示すような、いわば「答え合わせ」のようなライブだった。ヒゲダンのポップとはどこにあるのか、それは何を鳴らし、何を届け、何を伝えるものなのか。そんな根本を、これ以上ないほどに明確に、その佇まいと音楽の鳴らし方で伝え切るライブ。それと同時に、会場に集まった人たちを誰ひとり置き去りにすることなく、全員に楽しみ切って帰ってもらうライブ。ヒット曲がどうとか、レア曲がどうとか、そういうのを超越した、Official髭男dismというバンドの本質論。「OFFICIAL HIGE DANDISM one-man tour 2026」ファイナル、7月26日のステージは、そういう意味で決定的なものとなった。(以下、本誌記事に続く)文=小川智宏 撮影=小杉歩
(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年10月号より抜粋)





