20歳のシンガーソングライター『ユイカ』が歌うのは、言ってしまえばそんな「ドラマにならない日々」のこと。恋をして「月がきれいですね」なんて言えるのはほんのひと握りの人だけで、ほとんどの人は《LINEだってしていたいし、/一緒に帰ったりしたいよ。》(“好きだから。”)って思うだろう。『ユイカ』は、そういう「普通」をどこまでも「普通」のままに歌にする。普通の人生だって特別だよね、っていう話でもない。ドラマではモブかもしれない。特別じゃないかもしれない。『ユイカ』の歌は、そんな普通の人生を当たり前に愛しいものとして肯定するのだ。その音楽が多くの人に支持されるのは当然だ。だってこれこそが「ポップ」なのだから。
インタビュー=安田季那子
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年4月号より抜粋)
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