「なんとも警戒心の強そうなバンドだ」。取材にあたり、bokula.を調べれば調べるほど、そう思わずにはいられなかった。音楽の上では自身の想いも経験も真っすぐ語るのに、インタビューとなると話が別。なかなか、確信に触れさせてくれない。とはいえ、彼らのリリースや記事、SNSを読み解くと、ひとつの仮説に辿りついた。それは、えい(G・Vo)はbokula.の活動を通して自分の人生を肯定しようとしているのではないか、ということである。前作EPの『Phantom youth』で自らの青春時代と向き合い受けとめたように、メジャーデビュー1st EP『涙 滲むのは心の本音です.』では、終わってしまった自身の恋愛にケリをつけようとしているのではないか。赤裸々な答え合わせが、今始まる。いくら人が嫌いでも、人間関係で成り立ってる。自分が今歌えるのも、ステージに立たせてもらえるのも、誰かのおかげ(えい)
インタビュー=坂井彩花 撮影=オノツトム
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年5月号より抜粋)
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