SCANDALは昨年、「同一メンバーによる女性最長活動ロックバンド」としてギネス世界記録に認定された。少しエモーショナルに言い換えると、あとにも先にも似た存在のいないバンドとして歩んできた、17年間という長い挑戦の季節を経て、その存在自体が文字通り「唯一」のものであると認められた、ということになる。すごいと思う。何より素晴らしいのは、この「事実」が4人を今あらためて強くしたということだ。私たちはバンドを続けるっていうことが得意だったから、いつまでも続くものだとどっかで思ってて。
だけど世界一になったときに、この先どこまでやれるのか、あと何回4人でライブができるのかみたいなことを、初めて考えたんです(TOMOMI)
『LUMINOUS』は11枚目のアルバムだが、11枚目、17年のキャリアをして、過去イチのピュアさで「バンド」作品を作れてしまった、それは一体なぜなのか。本人たちも振り返ってくれているが、それはつまり、「世界一になったあともSCANDALを続けていくこと」を宣言するような作品を作らなくてはならなかったから、なのだと思う。バンドを続ける理由を、4人分詰め込んだ作品、として聴いてもらうとこのアルバムの佇まいはより親密に、よりリアルになる。SCANDAL最高傑作、と言ってもいいと僕は思っている。
インタビュー=小栁大輔 撮影=トキ
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年5月号より抜粋)
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