現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』12月号表紙巻頭にVaundyが登場!みんながDisc 1を理解できて好きだと思ったら、ポップスが変わる。
「ダメ」か「好き」かの二択。それがポップスのあり方だと思います
日本のポップのすべてを変える!
圧倒的ニューアルバム『replica』を語り尽くす、Vaundyの思想と世界があらわになった2時間超ロングインタビュー
インタビュー=山崎洋一郎 撮影=太田好治
全35曲。Disc 1とDisc 2の2枚組でDisc 1は全15曲ほぼすべて新曲、Disc 2は既発曲。そのDisc 1がとにかくすごい。
ここまでのレベルに到達した日本のモダンポップアルバムは他にないし、アニソンやボカロ系やアイドルといった日本独自のスタイルに頼らずに今のグローバルのレベルに達したストレートな「ポップ」アルバムを僕は初めて聴いた。
このDisc 1が日本でどう受け入れられるかで日本のポップの未来は決まる。そして言うまでもなく、間違いなくとんでもないスケール感で受け入れられ、今年を代表する大傑作アルバムとして派手にチャートやランキングのトップを占領するだろう。
だが、このDisc 1がすごいのは、ポップの最新型で、しかも多くの人に聴かれるから、ではない。このDisc 1が本当にすごいのは、このアルバムは聴いた人の耳や感性をも更新してしまうということだ。このアルバムを聴いて「いい!」と感じた瞬間に、その人の耳と感性は最新のグローバルスタンダードのレベルにアップデートされている。そこがすごいのだ。このDisc 1はVaundyが企てた革命の一歩だ。彼は日本のポップシーンを変えようとしている。
なんだか難しそうなアルバム?と思ったかもしれない。もしそうなら、その逆だと思ってもらっていい。この軽やかさ、ポップさ、そしてすべての曲に溢れる鮮やかなサビと熱いエモーション、1回聴いたらすぐにやってくる高揚感と没入感──ポップアルバムに求められるあらゆる快楽と感動が溢れ出ているようなアルバムなのだ。すごいとしか言いようがない。
これまでリリースしてきた“世界の秘密”や“花占い”、“踊り子”や“裸の勇者”や“恋風邪にのせて”、“mabataki”や“CHAINSAW BLOOD”や“そんなbitterな話”(キリがないから以下略)といったヒット曲群が並んだDisc 2をVaundy本人は「おまけ」と言っている。今、日本中のみんなが聴きたくて仕方がない極上のポップアルバムを「おまけ」と言いきる、そのVaundyが確信を持って届けるDisc 1がどれほどのものか、想像がつくだろう。だが、このアルバムはその想像をきっと超えている。(編集長 山崎洋一郎)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年12月号より抜粋)
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