Photo by 上山陽介 チャットモンチーが主催するイベント、「こなそんフェス」こと「チャットモンチーの徳島こなそんそんフェス2018〜みな、おいでなしてよ!〜」が、7月21日~22日の2日間にわたり、ふたりの地元・徳島県に所在する多目的コンベンション施設・アスティとくしまにて行なわれた。
同フェスの開催は約2年ぶり、2回目。そして今年、その活動の完結を決めたチャットモンチーにとっては、これが最後のステージとなった。
開演5分前に「♪踊る阿呆に見る阿呆 同じ阿呆なら踊らにゃそんそん こなそんそん!」と、阿波おどりのお囃子に乗ったふたりの歌が場内に響き渡る。続く「スタート!」の声を合図に、初日のステージに登場した橋本絵莉子と福岡晃子をオーディエンスの大歓声が迎えた。
チャットモンチー with 小籔千豊 Photo by 上山陽介「やっほー! 来てくれてありがとう! みんな、めっちゃ暑かったって顔しとるなぁ」、「大丈夫〜?」、「今回はチャットモンチーの完結ということで、最後はやっぱり徳島でお祭りをやりたいと『こなそんフェス』を開催させていただくことになりました」、「無事に開催できてよかったです! 2日間、結構な長丁場になるので、みなさん体調に気をつけて楽しんでください」と、それぞれに挨拶をした後は、スペシャルMCとして吉本新喜劇の座長、小籔千豊を呼び込み、3人で公演中の注意事項をアナウンス。「今日はNOしんみりで。みなさん、めちゃくちゃ楽しんでください」と呼びかけた。
シュノーケル Photo by 上山陽介初日の先陣を切った
シュノーケルは“奇跡”、“NewPOP”を披露。
Base Ball Bearとの3組で2006〜2008年の夏には「若若男女サマーツアー」を開催していた思い出に触れて「僕らシュノーケルの音楽人生にとっていちばん楽しかった思い出」と語る西村晋弥(Vo・G)。「最後の開催からちょうど10年、(その間に)3組ともいろんなことがあったけど、今日また同じステージを踏める機会をチャットモンチーが用意してくれました。みんな、それぞれの場所で生まれて、今こうして同じ時間と空間にいるっていうのは理由があるんじゃないか、という歌を」と告げ、“理由”を披露した。
yonige Photo by 古溪一道次に登場した
yonige。“最愛の恋人たち”、“our time cityを披露し、「こなそんフェスに出させてもらえてとても光栄です……何から話したらいいかわからんな」と牛丸ありさ(Vo・G)。「半端やないね。うちら、yonigeを始める全然前からチャットモンチーという養分を吸いに吸いまくってブクブク、ムキムキに太ったバンドなんでめちゃめちゃ嬉しい」とごっきん(B)。ラストは“さよならプリズナー”で余韻を残した。
Base Ball Bear Photo by 上山陽介お笑い芸人たちによる幕間を挟み、三番手にはBase Ball Bearが登場。“BREEEEZE GIRL”、“祭りのあと”を披露し、その後のMCで「どういう気持ちで今日を迎えるのか想像できなかった」、「正直、俺、泣くのかなと思ってけど、でも楽屋に入ったらチャットモンチーからのメッセージがあって『泣かないでねネ♡』って書いてあって」と明かした小出祐介(Vo・G)。「俺らはぜってぇ辞めねえからな!」と宣言し、デビュー曲“GIRL FRIEND”、“逆バタフライ・エフェクト”と立て続けに演奏した。
EGO-WRAPPIN' Photo by 古溪一道「イェイ、徳島! 始まるよ。いくよ、チャットモンチー!」と、
中納良恵(Vo)の第一声から、前半戦のトリを務める
EGO-WRAPPIN'が登場。“PARANOIA”、“A Little Dance SKA”、“a love song”と披露。「徳島、お邪魔してます! えっちゃんとあっこちゃんは今また新しいスタートラインに立っているわけですけど、今日は勇姿を見届けたいな、と。私たちもステージを温める程度ですが、しばしお付き合いください」という中納の挨拶に続いて“BRAND NEW DAY”、“GO ACTION”が披露された。
奥田民生 Photo by 上山陽介後半戦、
奥田民生とMTR&Yが登場。「そうは見えないかもしれないですけど、張り切ってやります!」と奥田が告げ、“MTRY”から“イージュー★ライダー”、“エンジン”と披露。“サケとブルース”では歌詞の最後の一節を《俺はブルースを歌うのさ こなそんで~》に替えるという演出も。
そして、大トリ、チャットモンチーのステージに。「みんな、ありがとう! 元気ですか〜!!」、「初日、ヤバすぎひん? ずっと袖で見てたんですけど、たまらん。そんで、みんなの喜んどる顔がようわかった。最高やね。……えっちゃん、まだほとんどしゃべってないけど、どうなん?」、「もうね、しゃべることがあんまりないかも」、「それを13年、通してきましたね」、「なのにいつもありがとうございます」。そしてふたりが最初に演奏したのは地元のラジオ局エフエム徳島のために作ったジングル“きっきょん”。しかも「こなそんフェス」のために2番“やんりょん”を作ってきたという。

チャットモンチー with 堀之内大介 (BBB) Photo by 上山陽介

チャットモンチー with 小籔千豊 Photo by 上山陽介

チャットモンチー with 奥田民生 Photo by 古溪一道

チャットモンチー with 山田雅人 (シュノーケル) Photo by 上山陽介

チャットモンチー with 堀之内大介 (BBB) Photo by 上山陽介

チャットモンチー with 小籔千豊 Photo by 上山陽介
その後、ドラムセットが用意され、スペシャルMC・小籔千豊が最初のドラマーに呼び込まれて“風吹けば恋”、“真夜中遊園地”の2曲を演奏。次に奥田民生がドラマーとして再登場し、お祭りのテーマソング“阿波の狸”に続き、奥田プロデュースによる“コンビニエンスハネムーン”を3人で演奏。その後もチャットモンチーのデビュー曲“ハナノユメ”をシュノーケルの山田雅人(Dr.)、“恋の煙”はBase Ball Bearの堀之内大介(Dr)と共演が続き、最後は「ご存知! 若若男女オールスターズ」としてシュノーケル、Base Ball Bear、チャットモンチーが一堂に会して“今夜はブギー・バック”のカバーを披露した。

チャットモンチー&BBB&シュノーケル Photo by 古溪一道

チャットモンチー Photo by 上山陽介

チャットモンチー&BBB&シュノーケル Photo by 古溪一道

チャットモンチー Photo by 上山陽介
しかしながらまだサプライズが残されており、「ちょっと友達を呼んでくる」とステージ袖に消えた小出がチャットモンチーの元ドラマー・高橋久美子を連れてきた。高橋が踏み鳴らす四つ打ちのキックから始まり、福岡のベース、橋本のギター、さらにシュノーケル、Base Ball Bearの演奏が重なって銀テープが炸裂、“シャングリラ”が演奏された。

Photo by 上山陽介

かもし連 with 蜂須賀連 Photo by 古溪一道

かもし連 Photo by 上山陽介

Photo by 上山陽介

かもし連 with 蜂須賀連 Photo by 古溪一道
初日は「こなそんフェス」のお楽しみ、阿波おどりで総仕上げとなり、チャットモンチー率いる「かもし連」が客席を練り歩く。「やっとさー」と高らかに橋本が叫び、福岡の掛け声に「やっと、やっとー」と5000人分の声がこだまして、2日目にバトンを渡した。