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タイトルチューンの“心音”こそ先行配信されていたものの、それ以前のシングル曲は含まれず全曲新曲という形でパッケージされた通算19作目のフルアルバム。壮麗なアレンジで情感を膨らませてゆく“幾重”や、トロピカルで賑々しい音色やビートを纏って弾ける“日替わり定食”など、音源作品としてリッチな響きをもたらす楽曲群が収められているが、それ以上にメロディとハーモニーの体幹が強いというか、全編にわたって歌だけでダイナミックな躍動感が成立している。これは、来る弾き語りツアーで、アルバム音源とは異なる形で真価を発揮するのではないだろうか。あれから15年後の3.11という日付に届けられた作品だけあって、命の瞬きと力強い躍動を、極めてミニマルな「歌」という表現に凝縮してみせることに成功している。カントリーテイストで再生時間1分台の短い曲ながらエモーショナルな詩情でひた走る北川悠仁作の“逆光”や、驚くほど大きく温かな包容力を発揮してみせる岩沢厚治作“出発前”なども素晴らしい。(小池宏和)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年5月号より)
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