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sanetiiから80'sを彷彿とさせる煌びやかな打ち込みサウンドと現代的な脱力感が同居したキラーチューンが届いた。エレクトロニックな疾走感と切ないメロディが交錯しながらもキャッチーさを失わない絶妙なバランス感覚はまさに彼の真骨頂。ライブの新たな定番曲をも予感させる。タイトルの“トラストフォール”とは「信頼して身を預け合う」という意味を持ち、冒頭では《眩しくてしょうがない世に/もたれたって なんかだるいのに》と孤独や皮肉を吐露するが、曲が進むにつれ「君」への信頼感が芽生え、最後には《この生涯の一つを/君に預けても楽になりそうで楽しいな》という確かな心の拠り所へと辿り着く。「間違ったままでも、ダメな自分でも、踊っていればそれでいいじゃん」と横で笑ってくれるような本作は絶望をダンスミュージックで包み込んだどこまでも優しい人生賛歌だ。内省的な痛みや孤独を極上のポップソングへと変えてしまうsanetiiの魔法が、不確かな今を生きる私たちの背中を優しく押し出してくれる。(伊五澤紗花)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年5月号より)
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