ロックの深エロい名曲7 VS エロ騒ぎの名曲7

世の中にはいろんなラブソングがある。恋の始まりのドキドキ感や、片想いの切ない気持ち、失恋の悲しさは、恋愛を経験した人なら誰もが共感できるテーマだろう。そして、恋愛のリアリティを追求していく上で実は欠かせない要素が「エロ」。これをテーマにした曲ほど、恋愛や男女の本質を突いているものが多い。そうは言ってもエロティックな表現がある楽曲は、「友達にオススメしにくい」、「カラオケでは歌えない」と若干避けられがちだ。だからこそあえてこの記事では、「エロく聴こえる曲」だけを集めてみた。思わず考えさせられる「深エロい曲」と、思わずニヤけてしまう「エロ騒ぎ曲」の2パターンに分けて紹介していきたい。(渡邉満理奈)


【深エロ編】


①スピッツ/“ラズベリー”(1994年)

スピッツの初期はエロティックな歌詞や刺激的なタイトルの作品も多い。どれも名曲だから迷ってしまうが、「深エロ」と言えばこの曲。爽やかなメロディーで直接的な言葉もそんなに使われていないため、最初はエロさに気づかなかったという人も多いのでは? 大人になってから、もしくは繰り返して聴いてみた時に、また一味違った魅力を楽しめる曲だ。

②Mr.Children/“隔たり”(2005年)

12thアルバム『I ♥ U』に収録。歌詞は全て「僕」からの目線で書かれているが、「君」が《たった0.05ミリ/合成ゴムの隔たり》を嫌がったことからは、秘められた切実な想いがじわじわ浮かび上がってくる。どこか退廃的な雰囲気をも漂わせるこの複雑な愛の機微は、きっと他のテーマや言葉では表現できなかったはずだ。

③クリープハイプ/“蜂蜜と風呂場”(2009年)

タイトルの「風呂場」というワードからも薄々わかるように、この曲に出てくるふたりは恋人同士ではない。制限時間がある疑似恋愛のサービスを提供する側と、お客さんの関係性なのだろう。しかし、相手のことを思って吐いた《蜂蜜みたいな味がする》という優しい嘘は、紛れもないひとつの「愛情」の形かもしれない。

④星野源/“桜の森”(2014年)

星野源にとって初の両A面シングル『Crazy Crazy/桜の森』に収録されている同曲は、マイケル・ジャクソンをイメージして作られたダンスナンバー。春が訪れた時の高揚感が綴られているようで、ちょっと視点を変えると男女の交わりのメタファーとして捉えることもできる歌詞がユニーク、かつ変態チックでもある。

⑤My Hair is Bad/“真赤”(2015年)

同曲で描かれている恋愛のパワーバランスは女性の方が上で、男性は追いかける立場。恋愛は勝ち負けじゃないけれど、どうしても好きになってしまった方が弱くなる。そんなやるせない気持ちと、対等にお互いを求め合う瞬間に感じた束の間の幸せが《ブラジャーのホックを外す時だけ/心の中までわかった気がした》という一文から伝わってくる。

⑥吉澤嘉代子/“残ってる”(2017年)

ライブで初めてこの曲が披露された時、聴きながら無性にドキドキしてしまったのを覚えている。これ以前にもコケティッシュな女の子が主人公の作品はあったが、ここまで赤裸々でリアルな「性」を感じさせる歌詞はなかったからだ。吉澤嘉代子が紡ぐ物語の奥行きの深さを改めて痛感した1曲。

⑦菅田将暉/“キスだけで feat. あいみょん”(2019年)

菅田将暉の最新アルバム『LOVE』に収録。作詞作曲をあいみょんが手がけており、実際にふたりで「恋バナ」を語り合っている時に制作されたそうだ。《私今日は女だから》を菅田が、《お前今日は女だから》をあいみょんが歌うことで歌詞が生々しくなりすぎず、この曲の本質である「男女間にある揺らぎ」がより鮮やかに見えてくる。

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