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今年に入ってから立て続けに配信シングルをリリースしているCloudyの新曲。この曲の「空しさ」が好きだなあ、と思う。《心が震えるそれ以上の/存在意義は無くて くだらないね》──そう歌い切ってしまう、空しさ。心が震える瞬間だけがすべてで、そんな「永遠を宿した一瞬」だけを追い求めていて、他のことはわりとどうでもよくて、でも俺がそんな瞬間を求め続けて生きていることなんて、君はどうでもいいのかもしれなくて、それでも俺は俺のロマンを捨てるつもりもないし、何かを我慢し続けるつもりも毛頭なくて……ああ、くだらない。「俺なんてくだらない」。そう言って、この曲のこいつはきっと笑うんだろう。改めて、ロックというのは不思議な音楽だなあ、と思う。空しいものが、空しいまま、聴き手にとってまったく「空しくない」ものになるのだから。疾走する熱情とエモーションを捉えた秀逸な演奏とアレンジ。激しいのに、長い夜に寄り添うような静けさもある。狂おしく、僕らの日々を突き刺す。(天野史彬)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年5月号より)
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