ハルカミライというバンドの魅力を、まだその存在のすごさをライブなどで食らってない人に伝えるのは簡単じゃなかった。まずワンマンでも対バンでもフェスでもなんでもいいからライブを見てくれと言うしかなかった。でもハルカミライの詞・曲・アレンジ含めた楽曲の素晴らしさはライブだけじゃ語りきれないんだよなとも思ってた。既に食らってる人は200%わかってることだけど、そうじゃない人にハルカミライの魅力の全貌は簡単には広がっていかない。それがハルカミライを愛し、応援してる立場としてのジレンマだった。このアルバムタイトル見て「鼻くそってww」とか言ってる奴はガキっすね。
死ぬくらい辛い経験してからもう一回やり直して読み直せ(須藤)
そのジレンマを越える作品がこの4枚目のフルアルバム『生きるとは鼻くそくらいの希望を持つことだ』である。結成から10年も越えて、アルバムとして音源を出すことに構えもせず、しかしそこに正々堂々と意味を見出す賢さを身につけた彼らは、ハルカミライの魅力を広く、深く、鮮烈に伝えられるアルバムを作ることに成功した。まだ食らってないやつは今こそ、もう食らってるやつは改めて永遠に、ハルカミライの音楽の花を心に咲かせてくれ。
インタビュー=古河晋 撮影=アミタマリ
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年3月号より抜粋)
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