TOMOOは特別な存在感を持つアーティストだ。その名を目にする機会は加速度的に増えているが、いわゆる「バズ」的な消費には晒されていない。ブレイクのきっかけになった“Super Ball”はアルバム初出曲で、リリース時はノンタイアップ。記号的なわかりやすさが求められる現代において、濃密なグルーヴと抽象的な歌詞を持つ楽曲でリスナーを増やし、MVの再生回数が軒並み100万回を超えていることからも窺えるように、「曲のリスナー」を「TOMOOのリスナー」にまで繋げている。サブスク時代のメジャーデビューにもかかわらず、人としての力──もっと言うと「感性」の力でその世界を拡張している稀有なアーティストなのだ。5月23日、自身初の日本武道館ワンマンは、その鋭敏な感性がこれまで以上にクリアに伝わるライブだった。心の襞を撫でるような静謐な弾き語りから、大編成バンドによる豊潤なアンサンブルまで、素晴らしいパフォーマンスが繰り広げられたこの公演のレポートを通して、TOMOOというアーティストの魅力の源泉に改めて迫りたい。(以下、本誌記事に続く)文=畑雄介 撮影=Kana Tarumi、renzo masuda
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年8月号より抜粋)
『ROCKIN'ON JAPAN』8月号のご購入はこちら
*書店にてお取り寄せいただくことも可能です。
ネット書店に在庫がない場合は、お近くの書店までお問い合わせください。