jo0jiの初のフルアルバム『あえか』がついに完成した。注目し続けてきたリスナーにとっては長らく待ちに待った、そしてjo0ji本人にとっても満を持してのフルアルバムだ。そして、このアルバムはそんな熱い期待感すら超えて、いまだjo0jiのことを知らない人たちをも含んだ音楽シーン全体にとっての大きなホットトピックになるレベルの傑作アルバムになった。いよいよ、ここからjo0jiは本格的に歩き始める。孤独な人ほど人を求めたりする力が強い。そういう力って、いろんな新しいものや素敵な何かを生み出す気がしているんですよね
jo0jiの音楽は感情を取り戻すための抵抗だ。毎日の中で、絶望や悲しい出来事や諦めや社会によって少しずつ奪われていく感情を、ちゃんと自分に取り返すための抵抗の歌──そんな強い意志が歌の根底に流れている気がする。そして感情を取り返した喜びも、歌や音の中に溢れるように躍っている。イケてるとか、エモいとか、カワイイとか、そういう感情のカテゴリーにすら当てはまらない泥臭い、情けない、ふとした思いもjo0jiの歌は救ってくれる。そこが、今どきのよくできた優秀なバンドやアーティストたちの中でjo0jiが際立っているところだと思う。そしてブルースを感じさせる楽曲やゆったりとしたテンポ、鳥取や山陰・中国地方独特の「〜わ」という語尾、身近な友達や子供たちの声を音源に入れたりと、今の音楽シーンの主流とはまったく異なるイデオムによってjo0jiの音楽が形作られているのも、時代を超えた新しさを感じさせる。
トヨタ自動車のCMがお茶の間に流れて、この初のアルバムがリリースされるここからのタイミングで、ロッキング・オン・ジャパンではさらにこれまで以上にしっかりと応援していこうと思っています。
インタビュー＝山崎洋一郎 撮影＝笠井爾示（KATT）
（『ROCKIN'ON JAPAN』2025年8月号より抜粋）
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