“ランデヴー“はなぜ私たちの日常にこんなにも浸透するのか？ 3ピースで描く歌心、「音楽で誰かを救いたい」想いを語る
インタビュー＝畑雄介 撮影＝武井宏員
透明感とハスキーさが同居した声、叙情的なメロディ、タイトなバンドのグルーヴ――そんな形容で印象を固定したくないと思うほど、楽曲が素晴らしい。とにかく聴いてほしい。
結成されてわずか1年強。この才能に早く気づいた誰しもが「自分だけが知っている宝物」として独り占めしたいような、より多くの人に知ってほしいような複雑な気持ちにさせられたはずだ。そんな裏腹な願いは後者だけが叶えられ、“ランデヴー”がバイラルチャートを席巻。その名は着実に広がり続けている。シャイトープの楽曲がこんなにも浸透するのはなぜか。それは、このバンドの命である「歌」を表現することに3人が全身全霊を捧げているからだろう。だからこそ“ランデヴー”や“部屋”で描かれる別れの情景はどこまでも淡く切なく、“マーガリン”や“誘拐”に刻まれたロックの衝動は何倍にも熱く燃え盛る。
「音楽で誰かを救いたい」と宣言する青く清いバンド。その産声に耳を澄ませてほしい。（畑雄介）
（『ROCKIN'ON JAPAN』2023年11月号より抜粋）
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