現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』11月号にKALMAが登場!「ギターボーカルとしてもっと成長しなきゃいけない」って思ったのかもしんないです。
俺が憧れてんのは「ボーカリスト」ってよりは、「ギター持ってるボーカリスト」だったんで
永遠のサヨナラも燃えたぎるバンドへのプライドも――
大人になったKALMAのリアル。新作『ムソウ』を超素直に語る
インタビュー=畑雄介 撮影=マスダレンゾ
KALMAはずっと「今」を歌っている。北海道の高校生から東京の23歳(畑山はどちらもあと少しだが)になってもそれは変わらず、新作『ムソウ』においても「今」はドキュメントされ続けている。しかし、その「今」の輪郭が『ムソウ』で大きく変わった。「今」に奥行きと立体感が増している気がするのだ。それはなぜか。平たく言えば、「大人になった」ということなのだと思う。大切な人の永遠の別れやバンドシーンへの複雑な感情によって、18歳ががむしゃらに向き合ってきた「今」とは違う、23歳の「今」へと明確にアップデートされたのだ。それは決して衝動や情熱が褪せたというわけではない。リアルを書き記す姿勢はそのままに、「今」の陰影が濃くなったことで、そのメッセージがより普遍性を持ち始めたということである。
「大人になった」のは、言葉だけでなくサウンドもそうだ。「ギターボーカル」に自覚的になった畑山悠月(Vo・G)のギターの推進力によってバンドのグルーヴはますます高まっているし、PCという新たな武器を手にしたことでメロディやアレンジは更に緻密に練り上げられている。KALMAが「今」に真正面から向き合い続ける限り、その進化は一生止まらないだろう。多様さを極める現代のバンドシーン。その中において、目に映るもの/手が届くものすべてと素直に向き合い、《死ぬまで 無双 夢想 無想》と高らかに歌うKALMAは、やっぱり最高で最強だ。(畑雄介)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年11月号より抜粋)
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