現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』3月号にBiSHが登場!今は、東京ドームに行けるって決まったことの嬉しさが勝っていて。
解散は悲しいですけど、自分たちのいちばん行きたい場所で死ねるのがよかった(リンリン)
最後の6ヶ月が、ついに始まる――
生涯をかけた夢の東京ドーム、そして解散。6人の胸の内を、今、解き放つ
インタビュー=小栁大輔 撮影=川島小鳥
BiSH最後の日が決まった。
今年、2023年6月29日、東京ドームでの過去最大のワンマンライブをもって、BiSHは解散する。この号が出た150日後、BiSHは散る。
今から1年前、2022年1月1日に発表されたシングル『FiNAL SHiTS』で、《いつか終わりは来ちゃうから/後悔しないように》と歌い、最後の1年を走り出したBiSH。
そこから、これまでの感謝を伝えるために、全国のライブハウスを回り始め、各地の春フェス、夏フェスでその全身を震わせるように必死に歌を届け、念願だった富士急での野外巨大ワンマンを成功させ、満開に咲き誇る花火の中で涙を流した。
秋から冬にかけても全国ライブハウスツアーは続いた。キャパ数百のハコを全国、本当にくまなく、全61公演にわたって見事に回りきった。12月の代々木第一体育館公演では、「BiSH FES」のアクトとして4回ステージに立ち、東京ドーム解散ライブの日程を発表した22日の公演「世界で一番綺麗なBiSH」では、フルオーケストラを背負い、過去のどの日よりも美しく綺麗に煌めく躍動を見せ、来るべき最後の6ヶ月への覚悟を語った。「この日、夢を叶えて、BiSHは解散します」とチッチは言った。
文字通り怒涛のように突き進んでいく日々を過ごし、6人は12ヶ月連続リリースの締めくくりとなるシングル『ZUTTO』で、こう歌った。
《行かなくちゃ/僕は一人じゃない》――。
小さく震えるようなチッチの独唱で始まった1年は、どこか悲しいくらいに明るく咲いた笑顔とともに重なるユニゾンで終わった。
日本のポップミュージック史でも類を見ない、リリースに次ぐリリースとライブに次ぐライブで埋め尽くされた1年だった。
このインタビューは年明けすぐに取らせてもらったものだ。
テーマはタイトルの通りで、「6人の、今の胸の内」を語ってもらったものだ。一人ひとりが長くじっくりと語ってくれている。
この1年、JAPANは毎月話を聞かせてもらってきた。毎月ただの雑談のような対話にすら、「こんな話をできるのも残り何回なのか」という空気が漂い始め、次第に、6人それぞれから本質的な発言が出てくるようになった。
このインタビューはそんな6人の変化と深まりの象徴のようなものだ。
あえて言うなら、《後悔しないように》という刹那の宣言と、《僕は一人じゃない》という結論めいた気づきの間にある変化の過程、そのすべてがここにある、ということなのだと思う。
これもまた6人が念願としてきたCOUNTDOWN JAPANのトリを務めてくれた、その鮮明な記憶から話してもらった。ここから始まるBiSH最後の6ヶ月。その最後の疾走を、どうか見届けてほしい。(小栁大輔)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2023年3月号より抜粋)
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