本盤はオリジナル・アルバムに当時シングルでリリースされたライヴ3曲を追加して最新リマスターを施した通常盤に加え、結成直後の1991年に録音、初期のライヴで実際に売られていたというデモ・テイク12曲を収めたディスク2、ライヴやPVを収めたDVDをパッケージした初回限定盤、輸入盤のみDVD2枚にLPやポスターなども収めたデラックス・ボックスもある。とりわけレイジ・サウンドの進化の過程を解き明かすデモ・ヴァージョンは興味深い。
いずれにしろ本作は未だ後続に対して、そしてレイジ自身に対しても高くて分厚い壁としてそびえ立っている。それは本作が表しているものが、単にその後のラウドなロックのロールモデルになったというだけでなく、世界中の「戦う者たち」の心のテーマ・ソングであり続けているからだ。世界中から、権力による不正や差別や搾取や虐待がなくならない限り、本作はいつまでも聖典として鳴り続けるはずだ。(小野島大)