本作には、オーケストラを従え、新境地に挑んだアルバム『ワルツを踊れ Tanz Walzer』とは違う、新たな感動が凝縮されている。前号のインタビューで岸田は、「今は、とにかくインスピレーションを受ける時期」と語っていたが、タイトでしなやかなBoboのドラム、エスプリに富んだエディのピアノなど、強力な武器を加えた新編成のくるりバンドが、馴染み深いくるりのメロディに新鮮なエッセンスを注いでいる。そういう新鮮さとともに、「やっぱりくるりはいいなあ」という安心感と感動もある。いくつもの純粋に感動が同時に押し寄せるのは、「音楽と戯れたい」という岸田の言葉そのままに、音楽への純粋な愛情と欲求が溢れているからで、それに加えて、聴き手もそれを共有できるという、「作り手と聴き手のコミュニケーション」がなされているからだと思う。「僕らにはくるりがいる」という純粋な感動を、改めて実感できる1枚。(岡崎咲子)
感動できる幸せ
くるり『「さよならリグレット」』
2008年09月03日発売
2008年09月03日発売
本作には、オーケストラを従え、新境地に挑んだアルバム『ワルツを踊れ Tanz Walzer』とは違う、新たな感動が凝縮されている。前号のインタビューで岸田は、「今は、とにかくインスピレーションを受ける時期」と語っていたが、タイトでしなやかなBoboのドラム、エスプリに富んだエディのピアノなど、強力な武器を加えた新編成のくるりバンドが、馴染み深いくるりのメロディに新鮮なエッセンスを注いでいる。そういう新鮮さとともに、「やっぱりくるりはいいなあ」という安心感と感動もある。いくつもの純粋に感動が同時に押し寄せるのは、「音楽と戯れたい」という岸田の言葉そのままに、音楽への純粋な愛情と欲求が溢れているからで、それに加えて、聴き手もそれを共有できるという、「作り手と聴き手のコミュニケーション」がなされているからだと思う。「僕らにはくるりがいる」という純粋な感動を、改めて実感できる1枚。(岡崎咲子)