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驚いた。新作フルアルバムの第一報では、「コンセプトに沿ったインタールード」や「10分超えの大作曲」を含む「アルバムの再定義に拘った」作品となることがアナウンスされていたので、なるほどアルバム単位での音楽体験の敷居が高くなってしまった今の時代に挑むような作品になるのだろう、と予想していたのだ。ずとまよはそもそもデビュー時からMV制作に力を入れていたし、どれだけ前衛的な表現に取り組んでもポップソングとしての高い完成度を手放さないプロジェクトだった。それを投げ打ってでも挑戦したいことがあるのだろう、と思ったのだ。しかし、その予想は半分外れていた。1分台のインタールード的なトラックや、1曲だけでアルバム並の聴き応えを誇る10分超のサイケデリックな大作“lowmotion algae”までもが、1曲1曲恐ろしくポップなのである。このアルバムだけでフル尺のライブが成立してしまうほどの、驚異的なポップの質量が堆積し、思いの欠片を解きほぐすように歌い奏でられている。(小池宏和)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年5月号より)
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