『ROCKIN'ON JAPAN』がお届けする最新邦楽プレイリストはこちら
オートチューンかかりまくりのハイパーポップ色の強い1曲目、“DO NOT DISTURB”から生きることへの不安と恐怖が露わになる、秋山黄色の5枚目のアルバム。石田スイ原作漫画『超人X』とのコラボ楽曲“Wannabe”では、凄まじい音の情報量でもって、無数の痛みを抱え、悪夢のようなこの世界で「君」を求める生き様が描かれる。ラストに収められたのは、ダイナミックなギターリフが貫く“魔法のもしも”。耳をつんざくような轟音から一転、何かに辿り着いたような穏やかさを滲ませながら、《もしも理由もなく生きれるのなら/死ぬ理由なんてないのに》と歌われる。死ぬのが怖いから眠れない。死ぬのが怖いから生きることが怖い。そんな生きづらさを抱えているからこそ、秋山黄色は「もしも」の世界を構築せざるを得なかった。極上のメロディとジャンクなサウンドと胸を引き裂くようなシャウトと柔らかな歌が共存する今作が希望になる聴き手は確実にいるだろう。(小松香里)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年5月号より)
『ROCKIN'ON JAPAN』5月号のご購入はこちら
*書店にてお取り寄せいただくことも可能です。
ネット書店に在庫がない場合は、お近くの書店までお問い合わせください。