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昨年夏から始動したセントチヒロ・チッチのソロプロジェクト。その最初の集大成である今作は、真島昌利をはじめとしたミュージシャンが制作に参加した楽曲を複数収録しつつ、全11曲中6曲は自らが作詞作曲を手掛けた楽曲となっている。快活なビートを乗りこなしながら晴れやかなフィーリングを歌い届けるロックナンバー“向日葵”や、たおやかなメロディを通して聴く者を優しく包み込む温かなバラード“君へ”など、自身の歌声や歌唱スキルを最大限に活かした自作曲が並んでいて、また、壮大で深淵な世界を自由奔放に描き出していく“Q”は、彼女が誇るシンガーソングライターとしての並々ならぬポテンシャルを伝える圧巻の一曲だ。特筆すべきは3曲目。チッチは、峯田和伸が作曲を手掛けた楽曲の中で《いのちを掻き鳴らし踊ろう》と力強く歌い上げ、そして同曲には“決心”というタイトルがついている。まるでこの曲は、BiSHの解散を経て次の未来へ向けて走り出した彼女の渾身の宣誓のよう。全力で応援したい。（松本侃士）（『ROCKIN'ON JAPAN』2023年10月号より抜粋）
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