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自分はこのバンドよりも35歳ぐらい上の年齢だが、中高生の頃に聴いていた日本のロックと同じものを感じることが、よくある。「ブルーハーツでしょ」と言われそうだが、それよりもっと前のやつだ(ブルハのファーストアルバムが出た時は、もう大学生だったし)。懐かしいとか古いとか感じるわけではない。曲の構成もアレンジも楽器の録り音も、ルックスを含む佇まいなんかも、今のバンドならではのそれだし、歌われているテーマも、今じゃないと生まれ得ないものだ。要は、多くはないが確実に存在する、今も昔も変わらない普遍的な何か、その芯の部分が音楽になっている、ということなのだろうが、そういうものを作ろうとして作っているのではなく、作りたいものを作るとそういうものになってしまうのではないか、と感じる。音楽性や曲調の幅が大きく広がった、約3年ぶり・4作目のこのアルバムにおいてもそうなので。初めて4人とも作詞作曲に携わったアルバムで、そこが全然ブレていないのは、ちょっと驚異的だと思う。(兵庫慎司)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年3月号より)
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