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『Pieces』は、“幾億光年”の評価はOmoinotakeが当然得るべくして得たものであることをさらに思い知るアルバムだ。本作に収録された楽曲は元ドラマーである藤井(Vo・Key)がビートから構築したものが多く、タイアップ曲も作品やCMのテーマなどからまずはビートを思い浮かべて作ったという。「このビートをこんなふうにJ-POPの歌モノに落とし込むのか!」といったサプライズを楽しませてくれるし、ビートからJ-POPを前進させてくれているバンドであることを改めて感じさせる。たとえばドラマ『潜入兄妹』に書き下ろした“ラストノート”は、トライバルビートを大胆に取り入れながらも美しい歌が印象に残るJ-POPとして仕上がっていて、その巧みさに息を呑む。アルバム後半はJEONGHAN(SEVENTEEN)との“Better Half”から始まり、Omoinotakeが珠玉のラブソングの名手であることを証明。オープニングとラストにはバンドストーリーが浮かぶ楽曲を置いて、彼らの真骨頂である深い人間愛に浸らせてくれる。(矢島由佳子)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年3月号より)
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